ラピスラズリを探して
人類が最初に石を手に持ち、そして文明を築くようになるまで悠久の時が過ぎました。
狩猟民族になくてはならぬ道具として、穀物を調理し食を豊かにするための道具として、大自然の神々に豊穣と繁栄の祈りを捧げて悪霊の邪気を追い払う信仰の対象として、石は人類の黎明期から生活文化にかかせないものでした。
また太古の昔から幾多の文明、文化が生まれ滅ぶという時の流転の中で、石だけは永遠に残り失われた文明を、文化を、無言のメッセージとして私たちに伝えてくれます。 そして遠い未来の私達の子孫に、この二十世紀文明と文化の誇りとして、警鐘として伝えていくのも石なのです。
今から約三万二千年前、今までの人類の平均寿命四十歳から計算すると遥か八百世代以上前の先史時代の先祖たちは、色のついた岩石を砕き動物の脂と混ぜて顔料(絵の具)を作り、洞窟に動物の絵を描いていました。
南フランスのショーヴェ洞窟の洞窟画は三万二百年から三万二千年前のものと断定され人類最古の絵画といわれています。
時代は移り、今から六千年前の昔エジプト人は、ラテン語で“天空の石”を意味するラピスラズリという青い石を得るため、遠くアフガニスタンまで交易をしました。
この青い石は最も高貴な神秘的な力を持つ聖石といわれ、同量の黄金と交換されていました。 後のキリスト教文化でも“青は聖なる色”とされ、レオナルド・ダ・ヴィンチも「最後の晩餐」のキリストや受胎告知の聖母マリアの衣服にラピスラズリを砕き着色していました。
ラピスラズリの原産地
バダフシャーン州
ラピスラズリのまとめ
ラピスラズリという名前は、ラテン語の「ラピス」とアラビア語の「ラズリ」から派生しています。この美しい石には、古代からさまざまな文化や歴史が息づいています。
古代ローマでは、ラピスラズリは恋人たちの愛と夢を守る石として尊ばれました。また、画家フェルメールもこの石に魅了され、作品に描き込んだことでも知られています。
日本でも、仏教の世界で「七宝」の一部とされ、瑠璃(るり)と呼ばれて幸運のお守りとされています。この石は、古くから人々に愛されてきたことがわかります。
ラピスラズリには、洞察力や決断力を高め、邪念を払い、幸運や成功をもたらす力が宿るとされています。その青色の輝きは、多くの人々に魅了される理由の一つです。
ラピスラズリは、鉱物の一種で、主にアフガニスタン、チリ、ロシア、イタリア、エジプトなどで産出される青色の宝石です。古代エジプトや中東の文明では、この石は神聖視され、彫刻や装飾品に用いられました。
この美しい石は、主に方珠状の結晶を持つ方解石、黄鉄鉱、輝石などの鉱物が混ざり合って形成されます。青色の基調に、黄色や白色の模様が見られ、特に美しい模様が珍重されます。
ラピスラズリは、その美しい色と模様から、宝飾品や彫刻、美術作品などに利用されてきました。さらに、古代から医療や宗教的な儀式にも用いられた歴史があります。
また、この石には、精神の安定や直感力、創造力を高めるとされる効果があり、ヒーリングストーンとしても重宝されています。その存在は、多くの人々に魅力的なエネルギーをもたらしています。
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