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「インタセクト タイル ショールーム」のご紹介
企業は自社の取り扱う製品を様々な形で宣伝しています。最も多くの人に見てもらえるのはメディアを利用した広告ではないでしょうか。しかし、モニターで見るだけの広告や紙媒体を利用したものでは伝えきれないことがたくさんあります。実際に見て、可能であれば触ってみることが出来るショールームでしたら、言葉や文章だけでは伝わらない事も一目瞭然となるのではないでしょうか。「インタセクト タイル ショールーム」は、依頼主の強い思いが詰まったショールームです。
「インタセクト タイル ショールーム」の設計者
「インタセクト タイル ショールーム」を手掛けたのは、インドの首都ニューデリーにオフィスを構える建築事務所の「スペースアーキテクツ@ka」です。この事務所を開設したのは、インド人のカピル・アガーワルです。彼は、インド南西部のカルナータカ州にある世界中で活躍する多くの技術者を輩出しているマニパル工科大学で建築を学び、1996年に卒業しています。卒業後の数年間は、国内の著名な建築家の元で実務経験を重ね、2000年に独立して「スペースアーキテクツ@ka」を設立しました。小さいころから美術に興味を持っていて、今は、芸術家であり建築家でもあると言っています。また、建築は芸術の延長と考えていて、彼の作り出す建物は美術作品とも言えるようなものもあります。他にも、建物は意思疎通が可能な生物のようなものとして扱えるとも考えています。このような彼の建築に対する思いは、独自性のある空間を創造した自らの住宅とオフィスの建物によく表されています。また、社名の「スペース」は、空間を演出すると言う彼の理念が込められています。依頼者の要求にはとことん答えられるように、あらゆる方策を考えていますが、遊び心を持って楽しんで取り組んでいると紹介されることもあります。彼の建築に対するこのような独特の考え方は高く評価されていて、世界中の様々な賞を受賞しています。
「インタセクト タイル ショールーム」の所在地
インド共和国のニューデリーに「インタセクト タイル ショールーム」があります。ニューデリーは1931年からインドの首都となっている都市で、デリー首都圏を構成する重要な地域です。ニューデリーの北側に広がるオールドデリーと呼ばれる地域は、古来より様々な王朝の首都を務めていた街で、最初にこの場所に都市を築いた王の名前が地名の由来となっているとの説があります。ニューデリーが建設されたのは、イギリスの領土だった時代で、当時の首都は現在のバングラデシュ国境に近いコルカタ(カルカッタ)にありました。政治的に不安定になってきたことから、首都の移転が決められ、1911年にデリーの南側に新しい街が建設されました。1947年にインドが独立した後もこの街が首都を務めることになって、オールドデリーを含む地域がデリー首都圏となりました。この地域はガンジス平野と呼ばれる東西に長い平地で、インド亜大陸とユーラシア大陸がぶつかり合って出来たヒマラヤ山脈の南側に広がる平野です。街の中心部を流れるヤムナー川はガンジス川の2番目に長い川です。川の名前はガンジス川と平行したように流れている地位が多いため、サンスクリット語の双子を表す「ヤマ」と言う単語が語源と言われています。
「インタセクト タイル ショールーム」の特徴
「インタセクト タイル ショールーム」は、十数年間倉庫として使われていた建物を増強したうえで改装したオフィスとショールームを兼ねた建物です。依頼主の扱うタイルをふんだんに使用して作られ、2018年に完成しました。外観は自然の岩山が風化していくような印象を持たせるために、重なり合う地層のような細いタイルが使われています。所々にわずかな張り出し部分が作られていて、間に照明器具が設置されて間接照明になるようになっています。入り口や建物の横にいくつかの人の形をしたオブジェが置かれていて、まるで美術館のような雰囲気があります。確かにショールームだけでなく、タイルの博物館ような役割も持たせてある建物なので、その様な演出も大事になってきます。壁や柱、天井など屋内に使用される色は、基本的には灰色が使われています。あくまでもタイルが主体となるように配慮されたためで、様々な使い方が紹介されていて、照明も色や輝度が変えられるようになっています。元々は倉庫だったことから、このように改装するためには建物の強度が弱かったようです。その為に、柱を増強したり、壁を厚くしたりする必要がありました。例えば、壁の表面には、通常のセメントに様々な物質を混ぜたマイクロセメントと言われる素材が使われていています。このセメントは、通常の物より滑らかに仕上がる素材です。他にもガラス繊維などを混ぜこんで強化した化学樹脂などが使用されています。
「インタセクト タイル ショールーム」のまとめ
「インタセクト タイル ショールーム」の依頼主は、タイルや陶器製の衛生器具を扱う代々続く会社です。彼らは自分たちの扱う商品に誇りを持っていて、それを消費者や建設関係の業者に実際に見て貰える場所を欲していました。言葉や、画像だけでは伝えきれない事を様々な角度で見せて、納得してもらう「インタセクト タイル ショールーム」は、正に「百聞は一見に如かず」と言ったところではないでしょうか。
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