G654 中国産のグレー系御影石のご紹介

G654のしらべ

石切り場または採石場の一番小さい単位は丁場と言います。その丁場の名前を一つ一つ付けた御影石があります。「G654」は比較的狭い地域で数種類に分類されている御影石で、他にこのような分け方をされている石材はあまり見受けられません。

G654」の原産地

御影石の「G654」は、中国産御影石の一大生産地である福建省の漳州市にある平和県(へいわ、ポンホー)に複数の丁場があります。平和県は数ある中国茶の産地の中でも、少し変わったお茶を生産しています。芽吹いたばかりの新芽だけを使った「白芽奇蘭茶」(はくがきらんちゃ)と言う名のお茶です。葉の先が白っぽく、お茶を入れた時の香りが蘭の花を連想させるのでこの名前が付きました。紅茶のように茶葉を発酵させるのですが、発酵の途中で蒸し上げ、乾燥させて作られる中国特有の半発酵茶です。「白芽奇蘭茶」のお茶の木は、長い年月をかけた品種改良によって作られている事も特徴の一つです。このお茶は国の内外で高く評価されていて、多くの愛飲者を惹きつけています。この地域も古い歴史の有る所で、美しい絵付けの陶器を生産していた窯跡も残っています。日本の江戸時代の頃のことで、ここで作られたお皿や茶器も当時の日本に入ってきていました。


 

G654」の特徴

基本的には灰色の無彩色で、一番よく見かけるような御影石です。丁場によって色の濃さや若干の色味の違いがあり、「G654」の後に地名が付けられています。全体に吸水率が高いのですが、水はけも良いので屋外でも十分使える御影石です。原石は通常の山から切り出す場合もありますが、玉石と言って掘り出すと言った感じで採石されているものもあります。玉石で採石される石は、石材のサイズが比較的小さくなってきます。

長泰(ちょうたい)

現在、建築用石材でG654というと、通常この長泰(ちょうたい)のことです。

角美より全体的に色が濃く見えます。

石目が粗いので、柄も大きく入っています。鏡面加工にすると、モノトーンの美しい面が見られます。大きい石目なので、吸水率が「G654」の中では一番高くなっています。しかし、水はけも良いので、あまり欠点にはなっていません。

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

角美(かくび)

南アフリカ産の黒御影石「インパラブラック」の代替品として使われることが多いので、「中国インパラ」と言う別名があります。「G654」の中では一番質が良く、色の濃い御影石です。

閉山になってしまっているので、在庫がある限りとなります。

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

 

ビシャン仕上げ

長楽(ちょうらく)

墓石で「G654」と言うと、普通は長楽を示すことがほとんどです。「高黒石」と言う別名もあります。白系と緑系の色味があり、模様も大きめで派手なイメージのある御影石です。緑系の場合には色が濃くなる傾向にあります。

平和(へいわ)

「栗花石」、「サングレー」と言う別名があります。「G654」の中では、吸水率が比較的低い石です。埋蔵量が多く採石量も多いので、採石の深さや、時期で石目や色に差が出ています。

甫田(ほてん)

「G654」の中で一風変わった色調をしています。青味のかかったグレーで、石目が細かい御影石です。色や柄にあまり変化のない安定した品質ですが、採石量は少ないようです。

表面の仕上げについて

 

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

 

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

 

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

 

「G654」に適した製品

生活空間を豊かにする品々

一枚のタイルから

様々なサイズの御影石タイルが売られています。安価で手に入りますが、天然石のちょっとした贅沢感が得られます。例えば、ペットのためや足を乗せて夏の暑さをしのぐクールマットに使用できます。安定した重量と鏡面の滑らかさは、マウスパッドにも最適です。

インテリア雑貨など

ティッシュケースや傘立て、プランターなども作られています。小さな雑貨一つで玄関まわりや、お部屋の雰囲気が変わることもあります。また、御影石製の将棋盤もあります。どっしりとした将棋盤での一局は、よい勝負ができるのではないのでしょうか。

玉石ならでは使い方

「G654」は塊の石としても採石されています。ゴロっとした感じの石で、そのまま庭石に使えそうな物もあります。このような石材をそのままの形で使うこともあります。例えば、公共施設や大規模なビルの銘板として、玉石の一部を掘って磨き、そこに名称を刻んで設置されています。また、小さいサイズのものでしたら、洗面台のボウルにそのままの形を利用したナチュラルな雰囲気の調度品も作られています。このような製品はいかにも岩石と言った武骨な感じがしますが、一部を鏡面に磨くことで洗練された自然美を作り出すこともできるのではないでしょうか。

「G654」のまとめ

 

同じ番号で、これほど多様な御影石が採石されている所は他に類を見ません。採石の時期や深さで色や柄の変わることもありますが、そこは天然の石だからこそではないでしょうか。言ってみれば全てが一点物です。アイディア次第で色々な新しい使い方もできるのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

本磨き、ジェットバーナー仕上げ共

300角…10235円
400角…10235円
300×600…10244円
600角…14185円

ビシャン仕上げ

300角…14172円
400角…14172円
300×600…14185円

2022年11月のしらべ

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