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G633のしらべ
中国産の御影石は古くから輸入されています。当初から記号で分類されているのが特徴的です。英語で花崗岩を表すgranite(グラナイト又はグラニット)のGと採石場のある地域を示す番号で区別しています。G6~の御影石は中国で最大級の御影石の産地、福建省で切り出されています。
「G633」の原産地
御影石の「G633」は中華人民共和国の福建省泉州市恵安県(けいあんけん)に採石場があります。恵安県は、古くから良質の花崗岩を産出している所で昔から「石彫之郷」とも呼ばれている場所です。恵安県の一地区である「崇武鎮」には、多くの石材メーカーや石造品の加工場が稼働していて、日本は元より世界中に石材や石で作られた様々な製品を輸出しています。また、台湾の対岸に位置する海岸部の地域なので、数千年の歴史を持つ天日塩の産地でもあります。「恵安塩」と言う名のこの塩は、古来より続く製造方法が受け継がれています。海に面したこの地域では漁業も盛んで、太刀魚やイカ、ウナギなどの水揚げが豊富です。加えて、古来よりこの地域の漁業に携わる女性が身に付けていた、「恵安女服飾」と呼ばれる色彩豊かで民族色の濃い服装が、中国の文化遺産に指定されています。農業では果樹やサトウキビ、植物油を取るための落花生などが栽培されています。
「G633」の特徴
「G633」は御影石と聞いて一番先に思いつくような石です。白御影石に分類されていますが、薄いグレーをしています。比較的目の細かい御影石で、白い長石と灰色の石英がほぼ同じくらい入っています。その為に、白と言うよりグレーに見えるようです。また、黒雲母の黒い粒子が細かく入っていて、薄い無彩色の地に黒のドット模様のように見えます。石目は細かいので、吸水率は低い方です。したがって風化や劣化に強く、昔から屋外のいろいろな石造物に利用されています。しかし、大変古くから採石されていて、採石場も複数あることから大きな差はありませんが、石目や色の濃さにわずかな違いが出てくることは否めません。目が小さいと硬そうですが、この「G633」は比較的硬度が低いので加工がしやすいため、彫刻などの細工物が多く作られています。外国産の御影石としてはとても古くから輸入されているので、日頃からよく目にする御影石で出来た様々な石造品の原材料が、「G633」である場合が多くあるようです。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G633」を取り扱う時の留意点
天然石なので様々なアクシデントも起こります。また、「G633」は学問上で分類されると花崗岩ではありません。花崗岩とほぼ同じ鉱物で構成されていますが、大部分を占める鉱物が違います。その性質から赤系の暖色になる事はほとんど無く、稀に薄い青味が付く事はあるようです。その様な事から、以下のような場合は御影石のダメージとなってきます。
サビ
御影石は様々な岩石や鉱物によって構成されています。その中の鉄鉱物によるサビが、浮き出ることがあります。G633も稀に、このような現象が起こることがあります。鉄鉱物のサビは茶色から赤茶色なので、白い色に浮き出ると非常に目立ちます。
シミ
御影石は吸水率が比較的低いのですが、まったく水分を吸わないわけではありません。酸やアルカリを含むものなら、余計にシミの原因になってしまいます。
このような変色してしまったアクシデントは、石材の専門家にお願いするとたいていの場合は元のように綺麗にしてくれます。変色に気づいたら早めに対処するのがよいでしょう。
「G633」に適した製品
昔から大量に輸入されているG633は、身近な所に使われています。
大型の石造物
御影石の大規模な利用方法としてはビルの外壁などに使用される事がありますが、他にも古くから様々な場所に使われていて、大きな物も作られています。例えば、神社の鳥居や手水舎(参拝する前に手や口をすすいで、身を清める所)、狛犬なども細工のしやすい「G633」で作られています。白御影石ですので、厳かな場所にも釣り合うのではないでしょうか。
多様な小物
お餅つきに使う臼や、豆や穀物を粉にする為の石臼も白御影石で作られています。また、装飾用の小さいサイズの置物もいろいろと作成されています。最近では、お手頃な価格でコンパクトサイズのキャラクター物とか、かわいい動物のインテリア小物が売られています。
「G633」は、屋外の使用にも十分耐える石材なので、お庭を飾るオブジェやLEDを利用した照明器具なども作られています。伝統的な形だけでなく、多様なデザインの物も多く製造されているので、どのような場所にもマッチするものが見つかるのではないでしょうか。
「G633」のまとめ
日頃目にしていても御影石に豊富な種類があることや、名前が付いていることなどは、あまり知られていません。名前を知らなくても御影石の数々の製品は、街を彩り、生活空間を豊かに見せることは知られています。これからも様々なシーンで御影石の「G633」は活躍することでしょう。
現在、閉山となっております。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…9920円
400角…9920円
300×600…9929円
2022年11月のしらべ
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