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G361のしらべ
装飾用として人気のある御影石のG361は、華やかなピンク系の石です。ピンク系の中国産御影石は「桜御影石」と呼ばれることが多々ありますが、G361は岡山県で採石されている「万城石」に色味が似ていることから、「中国万城」とも呼ばれています。
「G361」の原産地
中国大陸と朝鮮半島の間にある海を黄海と言います。山東省は黄海に面した半島が大部分を占める行政区で、御影石の「G361」の採石場があります。土地柄と歴史に基づいた幾多の特産品があり、地域の活性化や観光地を盛り上げる役目を果たしています。例えば、山東省のほぼ中央に位置するイ坊市(イは、サンズイに維)では、古くから空高く舞い上がる「凧」が工芸品として有名です。日本の凧と見た目が違い、お国柄をはっきりと映し出した物になっています。基本的には絹を使った艶やかな色遣いの物が多く、極彩色の鳥や蝶、伝統的な龍をモチーフとしたものもあります。古くから日本と交流のあった、西日本では雰囲気の似た凧を作っている地域もあります。イ坊市では毎年春に国際凧揚げ大会が行われ、世界的にも凧の街として名を挙げています。また、黄海沿岸の青島市には、巻貝の殻を使った工芸品があります。御影石に含まれる雲母と似て、虹色に光を反射する貝殻の美しさを利用した美術品と言ってよい品々が作られています。
「G361」の特徴
「G361」は、ピンクから少し黄色味を帯びたサーモンピンクの御影石です。ピンク色をした塊が比較的大きく入っていることが一番の特徴で、隙間を埋めるようにして入っているグレーや白い部分と黒い粒子が柄を引き締める役割を果たしています。柄の雰囲気は、それぞれの色が入り混じる様なものや、ピンク色がにじみ出るように大きく見える物があります。花崗岩の色を決めているのは、石に含まれている有色鉱物の種類と量によります。花崗岩には長石と言う白い鉱物がたくさん入っていますが、この長石に色が付きます。含有する鉄分の量や酸化の度合いによって黄色から赤まであり、また、濃さも変わってきます。色の濃さは切り出される深さにも関係があり、地表近くで採石された石は比較的色が濃くなります。反対に深い所から産出した石は色が薄くなってきます。「G361」も採石される時期と採石場の違いで色が変わってきています。石目は中くらいで、柄はおおむねピンクの色が目立つくらいの大きさです。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G361」を取り扱う時の留意点
色味が変わることがあります。
どこの産地の御影石でも同じ事が当てはまりますが、同じ採石場でも採石される深さによって色が薄くなってきます。これは自然の理なので、仕方のないことです。「G361」の場合は色の感じも変わってきます。ピンクから黄色味を帯びたサーモンピンクまでの幅があります。従って広い場所に使う場合はもとより、後から追加する時には色の違いが出てくることを考慮した上で使用してください。
お手入れについて
御影石は酸やアルカリなどの化学作用や、酸性雨や排気ガスなどの空気汚染による影響を比較的受けにくい石材です。しかし、製品として形作られたものは、定期的なお手入れが美しさを保つためには必須となってきます。鏡面加工の物は雑巾などで拭いてもかまいませんが、水気は早めに取ってください。表面がザラついたものは、ホコリなどが付着しやすいので、こまめに取り除いて下さい。化学作用に強いとは言っても、洗剤等を使用する場合は影響を全く受けないわけではないので、強力な物は使用を避けてください。
「G361」に適した製品
公の場でもプライベートな場でも活躍します
プライベートな場では
明るい華やかな色の御影石は高級感があり、「G361」の色合いは石材にありがちな冷たさを払拭できます。キッチンの天板や、カウンターやテーブルのトップに使われれば、優しい雰囲気にしてくれるでしょう。また、屋外では門扉を支える門柱や、大げさな門や壁を作らない時に設置される門袖(もんそで)に使われれば、「G361」は訪れる人を迎える役にぴったりの素材ではないでしょうか。
環境石材として
公共の道には大小の橋がかかっている所がたくさんあります。橋の両端にある「親柱」に御影石が使われることが多くあります。本来は橋の欄干を支えるものですが、最近はモニュメントの役を果たし、橋の名前を刻んだ銘板が埋め込まれたり、直接刻まれたりしています。「G361」は明るい色と耐久性に優れた天然の御影石ですので、屋外での公の場でも十分な役割を果たせます。
「G361」のまとめ
御影石が自然の産物であることは当たり前ですが、石が限りある資源であることは、なかなか思いつかないこともあります。埋蔵量が多くても、人気のある石材は大量に採石されるので、短期間で閉山になることもあります。増して、元々埋蔵量のあまりないものに対してはもっと早くに採れなくなってしまいます。「G361」も人気のある色の御影石ですので、最近は産出量が減り流通量も少なくなってきているようです。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…7873円
400角…7873円
300×600…7880円
2022年12月のしらべ
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