目次しらべ
G354のしらべ
中国では多種多様な御影石が採石されています。比較的多いのは白やグレー系等、無彩色の石です。また、ピンク系の御影石は何種類か切り出されていますが、濃い有色の石は珍しいとされています。「G354」は茶色系で、中国産では少ない種類の御影石となっています。
「G354」の原産地
御影石の「G354」は、中華人民共和国の山東省で切り出されています。国内に流れる二代大河の一つ、黄河の下流域に当たるのが山東省です。もうひとつの大河は長江(揚子江)で中国では「江」と書くと長江を、「河」と書くと黄河を指します。チベット高原などに端を発し、五千キロメートル以上の長さがあり、中国では2番目に、世界でも6番目に長い川です。中国国内の北部を東西に流れている黄河を基準に、華北で流れる川には固有名詞の後に「河」が付けられています。華南では、長江を基準に川の名称に「江」が付けられています。黄河が上流域から運ぶ土砂は年間十数億トンになり、河口付近に広大なデルタ地帯を形成するので、河口に位置する山東省には肥沃な土地が多くあります。運ばれる土砂の量が多く、水量も頻繁に変わるので、河口付近には車も通れる浮き橋が渡されています。最終的には黄海にそそぐのですが、黄河が運ぶ土砂で海が黄色く見えることから「黄海」と名付けられました。
「G354」の特徴
御影石の「G354」は、別名を「中国マホガニー」とも言います。高級木材のマホガニーの色に似ていることから名付けられています。マホガニーは赤味の強い色をした木材で、「G354」は茶褐色から赤褐色の御影石です。石目は小さく、赤とグレーと黒の結晶が同じくらい入っています。幾つかの採石場がありますが、それぞれで若干の色の違いが出ています。また、採石する深さによっても色が変わってきます。全体的には赤味の差すグレーと言うような見た目の石で、赤は構成鉱物の酸化鉄が出す色です。グレーと赤茶が入り混じる様な感じで、その中に黒い粒が点々と入っています。中には、レンガ色の中に黒い粒子がそこかしこに見え、グレーの粒がわずかに入っているような赤御影と言う名にふさわしい色をした石もあります。中国産としては少ない色なので、採石量が多く、その為に最近では多少色が薄くなり、サーモンピンクに見えるような石も切り出されています。
「G354」を取り扱う時の留意点
色や石目に違いがあります
「G354」のように色のある石材を広い面等に使う場合は特に注意が必要です。使用量を確かめて確実に足りる量を用意しないと、後から足すと色や石目と言った柄が変わってきます。そのことで、壁などの広い面ですとちぐはぐな感じになってしまいます。特に表面をツヤのある加工にした場合には、色の違い等が顕著に現れます。同時に購入したものでも、色の差が出ることもあります。バーナー加工等のツヤを消した表面でしたら、色の濃さはあまり気にならないと思われますが、色味が違うとやはり目立つようになります。
丁寧に取り扱ってください
「G354」はその色合いから、インテリア雑貨などの小さいサイズの石造品も作られています。しかし、サイズは小さくても石材は密度が高いので、思いの外重量があります。移動する際は、落としてケガをすることの無いよう、細心の注意を払ってください。また、石造品は硬い物ですが、落とすと欠けたり割れたりする可能性もあります。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G354」に適した製品
タイル状の石板の使い方
クールマット
石は熱伝導率が低いので、熱しにくく冷えにくい素材です。その特性を生かして、夏場のペットの熱中症予防にクールマットとして使えます。動物の種類にもよりますが、暑さに弱い動物でもあまり気温が下がりすぎると、体によくありません。天然石の自然な冷たさが調度よいようです。御影石ですので、害虫の繁殖も無く、お手入れも軽く拭く程度で清潔さも保てます。また、人の為にも足を乗せてひんやり感を楽しむこともできます。
オーディオボード
最近は携帯用の音楽機器が流行りですが、しっかりしたオーディオをそろえている方には、御影石のスピーカーボードがお勧めです。天然石は電気を通さないので不要なノイズを発生することがありません。また、重量があるので、スピーカーの無駄な振動を抑えて音質を上げるために一役買えます。「G354」は色合いも良く、インテリア性も上がるのではないでしょうか
「G354」のまとめ
中国国内では「桃木心(ももきごころ)石」とも言われる御影石で、「桃木心木」は「マホガニー」の事です。色にムラが出ることもありますが、人気の高い御影石なので大量に採石してきました。その結果、最近では採石量が減ってきています。幾つかの採石場がありますが比較的小さな採石場ですので、閉山の恐れもあると言われています。自然の産物なので無限ではありません。無駄の無いよう大事に使っていけるとよいですね。
参考価格(㎡単価、消費込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…9920円
400角…9920円
300×600…9929円
2022年12月のしらべ
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