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ベルデフォンテン(Verde Fountain)のしらべ
広大な砂漠の近くで、深い森林の色をした御影石が採掘されています。イタリア語で緑を意味する「ベルデ」の名前を持った、御影石のベルデフォンテンをご紹介します。
原産地
南アフリカ共和国の南、喜望峰のあるケープタウンから約300km北上した所に、ビターフォンテインと言う町があります。ここが御影石のベルデフォンテンの切り出されている場所です。「苦い泉」と言う意味を持つ名前の町です。周辺にはこれといった観光地も無い所で、ケープタウンから北上する鉄道の終点でもあります。隣国ナミビアに向けての道路はよく整備されているので、交通量は少なくはありません。日本とは全く違いますが、田舎の風景が続く道が伸びています。日本とは季節が逆ですが、緯度が同じくらいなので季節によっては気温もかなり下がります。
特徴
緑系の御影石は種類も少ないのですが、その代表とも言われる石がベルデフォンテンです。黒っぽいベースに深い緑と白い色があります。石目は大きめのものが多く、白い斑は花が咲いたようにも見えます。稀に黒い部分が大きく入っていることがあります。石目が大きめの物は、硬い性質の御影石の中でも割と加工しやすいようです。しかし、大理石ほどではありませんが、若干の吸水が見られることがあります。全体的には耐久性や摩耗にも強く、使う場所をあまり選びません。表面加工の仕様がいろいろとありますので、使う場所によって使い分けると良いでしょう。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凹凸があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色味が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
適した製品
価値ある緑系の御影石は住宅を装うのにぴったりです。
玄関
三和土(たたき)に使われます。ジェットバーナー仕上げの加工をしたものをメインに、鏡面仕上げの石を組み合わせてモザイク模様に仕上げる施工例があります。ジェットバーナー仕上げでしたら、滑りにくいので土間の床に使っても安心できます。上り框にも同じベルデフォンテンを使えば、統一感も得られるでしょう。木造の住宅に深い緑が良く似合います。
マンション
外壁にも使われますが、ロビーの片隅にあり、かつ重要な役割を持っているオートロックの制御盤が納めてあるところに使用されています。ほどよい緑の濃い色が、目立ちすぎず、しかも存在を主張できるものに仕上がっています。ロビーの雰囲気を壊すこともありません。
まとめ
大西洋の風が吹き日本とは反対の南半球から、喜望峰を巡りはるばる運ばれてくる御影石。ベルデフォンテンは遥かな大地で切り出され、日本の建築物を彩ってくれます。貴重な大地の財産を大事に使っていきたいですね。
参考価格(㎡単価、消費税別、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…16000円
400角…16000円
300×600…16000円
2019年3月のしらべ