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G343のしらべ
御影石の中で一番ポピュラーな色はグレーではないでしょうか。身近に使われている御影石でも、灰色のものが多く見かけられます。しかし、一言で灰色と言っても、御影石には様々な種類があります。中国産の「G343」も灰色の御影石の一つです。
「G343」の原産地
御影石の「G343」は中華人民共和国の山東省で採石されています。中国と朝鮮半島の間にある黄海に突き出した山東半島が大半を占めている地域になります。この地は幾人かの偉大な人物を輩出しています。聖人と言われる儒教の始祖である「孔子」もその中の一人で、生まれ育ち没した場所が山東省にあります。孔子が生きていた、紀元前6世紀の頃の中国は混乱した時代で、無秩序な世を憂えていたようです。儒教は礼節などを説いたもので、後世に表された「論語」は孔子の言葉や行いを弟子たちがまとめた書物です。「論語」には「過ぎたるは猶及ばざるがごとし(何事もやりすぎては良くない結果になる)」や、「温故知新」の四字熟語にもなっている言葉も残されています。現代でも十分通用する多くの事柄が記されている書物です。この思想は、中国全土はもとより広くアジアにも影響を与え、日本もその影響を大変古くから受けています。山東省には孔子由来の霊廟などの建造物や、石碑、彫像が多数残されていて、多くの人々が訪れています。
「G343」の特徴
「G343」は、御影石と聞いて一番先に思い浮かべるような灰色をした石材です。灰色も黒に近い濃い色をしたものから、とても薄く薄曇りの空のような色までありますが、「G343」は比較的濃い色のグレーとなっています。石目は小さく、グレーの地に黒と白の粒子が入っていて、全体的に均一な色と柄をしています。タイル状など比較的小さな石材ですと砂の様な見た目ですが、大きなサイズのものではちょっと変わって見えます。粒子が並んでスジの様に見えたり、流れるような模様を作ったりしています。しかし、色に濃淡があまりないので、はっきりした模様が見えるわけではありません。表面の加工方法によっては見た目の色の濃さに違いが出てきます。ツヤのある表面加工の場合は、一般的にその石の特徴をよく表すようになり、色も濃くなる傾向があります。床面などに使用される場合の少しザラついた加工の場合ですと、色は薄く見えるようになります。「G343」は、吸水率が低く、季節変化などに強い耐久性のよい石材と言えるでしょう。
「G343」を取り扱う時の留意点
使用する場所によって表面の加工を変える。
御影石の表面加工の方法は多種にわたります。見た目の為だけでなく、実用性や安全性の為でもあります。特に公共性の高い、様々な人が利用する場所ではあらゆることを想定しなければなりません。御影石はそういう場所にも多く使われています。一番に気をつけなければいけない事は多くの人の安全です。見た目は美しい鏡面加工が実は一番危険でもあります。床に使われる場合は歩行者の安全を一番に考えて、滑りにくいものが使われると良いでしょう。
石の性質について
花崗岩(御影石)は鉱物の宝庫とも呼べるほど様々な鉱物で構成された石です。中には水分を吸収した結果、わずかに溶け出す成分もあります。その為、「G343」のような無彩色の石材の場合には目立つシミが現れる事があります。鉄分が溶け出すと酸化して茶色のシミになってしまう可能性が高くなり、無彩色の石の場合にはとても目立ってしまいます。「G343」は吸水性が低いとは言え、全く吸水しないわけではありません。このような事を考慮した上で、利用してください。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G343」に適した製品
どこにでも使える色と柄で、主役にも脇役にもなれる石材です。
主役として
壁や柱の飾り、床にも使います。また、マンションのオートロック制御盤には御影石が多く使われています。見立たなければいけない場所に使われる場合は、主役級と言えるのではないでしょうか。広い面に使う時は、あまり派手な色ですとかえって目が疲れたりするので、「G343」のグレーは調度よい色合いとなり、穏やかな雰囲気作りに貢献できるでしょう。
脇役では
公共性の高いファッショナブルな場所では、広い面にモザイクを作り出すことがあります。デザイン性も高く、多くの人の目に触れる所にふさわしい壁や床を飾る時の地色にぴったりなのが「G343」ではないでしょうか。少し濃い目の灰色でキメの細かい「G343」は、どんな色を持ってきても、その色を引き立たせることができる名脇役となるでしょう
「G343」のまとめ
御影石はあらゆる所に使われています。さりげない所や、大きなビルなどの壁など広い場所、オブジェや石碑等の石造品も様々なものに使用されています。最近では小さな置物や、実用性の高い小物なども作られています。これからも、御影石の新しい使い方や試みがされるでしょうが、G343の色はどんな場面でもしっくりくる御影石ではないでしょうか。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…9920円
400角…9920円
300×600…9929円
2022年11月のしらべ
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