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レックスベナート(Rex Benart)のしらべ
山を覆う雪の様な大理石が、白い大理石の宝庫と言われるギリシャの山から切り出されています。彼方に広がるエメラルド色のエーゲ海を見下ろす山の麓の村から採石される「レックスベナート」は、白い雪の光と影のような美しい大理石です。
柄の入り方がそれぞれの原石によって違いがあり、色ムラが激しいため出来るだけ多くの写真を掲載しました。
「レックスベナート」の原産地
ギリシャ共和国の北東部にある東マケドニア=トラキア広域自治体は、北をブルガリアと、東はトルコとの国境を接している地域です。
その中にあるドラマ県は、マケドニアに属す山岳地帯の地域です。ドラマ県にあるボラカスと言う小さな村に「レックスベナート」の採石場があります。標高約2,200mのファラクロ山の麓に位置し、村の標高はおよそ900m程です。
この山はスキーリゾートとして有名で、県都のドラマ市など近郊の都市部からの観光客に人気のある場所です。
ボラカスは、古くから人々が暮らしていた小さいながら歴史ある村で、山の麓のなだらかな斜面に、赤茶色の屋根を持つ家々が固まって建っている素朴な所です。
毎年1月には、秋田県の男鹿半島で行われる「なまはげ」に似た姿で、キリスト教の一連の演劇の様なお祭りがあります。お祭りの最後には人々を祝福するために、顏に灰を塗っていきます。また、6月には聖霊のお祭りがあり、着飾った馬に乗った若者がファラクロ山にある礼拝堂で参拝し、その後村の中を疾走して行きます。
「レックスベナート」の特徴
産地の名を冠して、「ボラカスホワイト」などの別名もあります。
「レックスベナート」は、濁りの無い純白に薄いグレーや薄紫色の線の様な模様が入る大理石です。
青空の下の降り積もった雪の原を思い起こさせる「レックスベナート」の色合いは、凛とした美しさがあります。
積もった雪に日が差すと、影になった部分は青や紫色にも見えます。
真っ白な地色に入り込んだ、灰色や紫がかった色が層をなして重なるように見える模様は、ある種の地層のようです。
色のある部分は細い糸のようなものから、とても幅広く白い色と二分するほどに見えるものもあり、天然石故の面白さがあります。
基本的に模様の入り方は一方向に流れるようになっています。しかし、川の流れも淀むことがあるように、時折、大きなグレーの塊が見られたり、白とグレーが入り乱れたりするような模様になっているものもあります。
このような色と模様は、一般的な白い大理石模様としてシートや雑貨に使われる図柄にもなり、一番ポピュラーな白大理石の一つとも言えるでしょう。
「レックスベナート」を取り扱う時の留意点
色柄に大きな違いもあります
「レックスベナート」は、基本的には白をベースにしたライトグレーや薄紫色の流れるような模様をしています。
しかし、大理石は自然の造形物なので一定の色柄にはなりません。特に「レックスベナート」は、模様に大きな違いが出る事があります。大きいサイズの石ではその違いがよくわかります。小さなタイル状の石材の場合には、時として柄の無い真っ白なものもあります。また、稀に茶色のスジが入ることもあるので、ご注意ください。
お手入れについて
大理石に限らず白い物は汚れが目立ちやすい欠点があります。大理石は吸水率が高く、化学物質にも弱い性質があります。ホコリなどで汚れた時に水拭きをすると、ホコリと一緒に吸い込んでしまう可能性があります。また、化学物質の特に酸に弱く、酸性の物質が付くと溶けだす事もあります。
基本的には柔らかい布で乾拭きをしてください。洗剤を使われる場合には酸性の物は絶対に使わないでください。
「レックスベナート」に適した製品
インテリア小物、雑貨など
お皿に使われる事があります。石は熱伝導率が低いので、しっかり冷やした大理石のお皿でしたら、冷たいお料理が温もることもなく最後まで冷たいままで召し上がることができます。「レックスベナート」の白さは、どんなお料理でも引き立てる事ができるのではないでしょうか。照明器具にも使われます。大理石の主な成分は方解石と言って透明感のある鉱物です。工業機械の発達により、石材でも出来るだけ薄く加工する事が出来るようになりました。内側から照らされた「ボラカス ホワイト」は、模様が浮き出てハイセンスな照明となるでしょう。
床や壁材として
「レックスベナート」の色や模様は広い面に使っても威圧感が無く、逆に洗練されたスッキリとした空間が作れるのではないでしょうか。「レックスベナート」の特徴である流れるような柄は、向きを変えながら敷き詰める事によって、新たな模様も作り出すことができます。従って、「レックスベナート」だけを使ってモザイクをデザインする事もできます。
大理石のテーブルについての注意点・・・
大理石のテーブルは汚れやすいとかキズがつきやすいとかの欠点があると言われています。
たしかにキッチンカウンターなどでシミになっているのを見かけたことがあります。
しかし、ホテルのテーブルなどで全く汚れていない大理石のテーブルも存在します。
どこが違うのでしょうか?
一言で言うとメンテナンスの違いです。
これは使用されている石種によって吸水率も違うため大理石を一括りにして総括することはできませんが、同じ大理石を使って同じ仕上げをした場合は撥水剤を塗布するかしないで全く違った結果になります。出来れば石材の専門業者に聞いて、撥水剤を塗布することをお勧めします。
石材と化学の知識がない専門業者は、間違った撥水剤を教えることもありますので、ご注意ください。
床や壁材として
「レックスベナート」の色や模様は広い面に使っても威圧感が無く、逆に洗練されたスッキリとした空間が作れるのではないでしょうか。「レックスベナート」の特徴である流れるような柄は、向きを変えながら敷き詰める事によって、新たな模様も作り出すことができます。
従って、「レックスベナート」だけを使ってモザイクをデザインする事もできます。
「レックスベナート」のまとめ
白のイメージは清潔感や純粋さがあります。冬の雪や氷を連想して冷たい印象もありますが、「ボラカス ホワイト」にあるライトグレーの模様は、白い色の負のイメージを取り除いてくれるのではないでしょうか。
空に浮かぶ白い雲も、影の部分は灰色や空の青さを映した薄いブルーに見える事があります。海に浮かぶ真っ白な氷山も、陽の当らない所は海の青さを映す色をしています。
「ボラカス ホワイト」に見られるように、大自然は大地の中にもこのような色の組み合わせを作り出していたのかもしれません。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
300角…17321円
400角…17321円
600角…26793円
2022年11月のしらべ
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