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「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」のご紹介
地球が生きている証の一つに火山があり、その近くには温泉が湧き出ている場所があります。日本には数多くの良い温泉がありますが、ヨーロッパにもたくさんの素晴らしい温泉地があります。スイスにある「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」は、ゆったりとした時間を過ごすためのリゾート地です。
「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」の設計者
1943年にスイス南部にあるティチーノ州で生まれたマリオ・ボッタが「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」の設計者です。16歳の時に初めて建築物の設計図を描いたという逸話のある人物です。イタリアの大学で建築を学んでいた22歳の時に、モダニズムの巨匠と謳われたル・コルビュジエの助手を務める機会がありました。また、大学を卒業する年には、アメリカの建築家で最後の巨匠と呼ばれたルイス・I・カーンの助手も務めました。彼らの元で働いた経験は、彼の建築に対するスタイルや理念に大きな影響を与えたと言われています。1969年に大学を卒業し、故郷のティチーノ州ルガーノで事務所を構え、モダニズム建築の流れを受け継ぎながら、自らのスタイルを確立していきました。彼の作品は、外観にレンガを使用したものが多く見受けられますが、建物を作る地域で産出する石材や木材などの材料を使うように心がけ、シンプルでも優美な外観を持つ建造物を作り出しています。建築家として活躍する傍ら、若手の育成のためにヨーロッパを中心にアメリカや、アジアなど世界中で教鞭も取っています。
「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」の所在地
スイス連邦の南東部に位置するグラウビュンデン州アローザは、スイス国内はもとより世界中から人々が訪れるリゾート地です。ヨーロッパの中世前期には人が暮らす村として存在が確認されていましたが、長い間辺境の村でした。20世紀に入って交通機関が発達し始めたことから、リゾート地として開発が行われ始めました。それ以降、ヨーロッパでも有数のリゾート地となり、著名な学者や作家が余暇を過ごすために利用した記録も残っています。この自治体の面積の約半数は農地ですが、残りのほとんどは森林や河川、山岳地となっています。農地以外で人の手が入っている家屋などの建物や道路などは、ほんの僅かな面積しかありません。一年を通して寒冷な気候の土地で、夏でも冬でも自然を満喫できるレジャーが楽しめる場所です。この街の経済は観光業が賄っていて、宿泊施設のベッド数は街の人口より多く、年間数十万単位の人々が訪れています。この地のスキー場を手本としたスキー場が日本にあって、アローザと友好都市の協定を結んでいる市が北陸にあります。
「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」の特徴
2006年に完成した「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」は、ドイツ語で「山のオアシス」と言う意味のある温泉施設です。。一番目を引くのは、屋内の明り取りのための建造物ではないでしょうか。楕円形の球を四つに切ったような形の採光窓が屋根の上に取り付けられていて、ランダムに仕切られた窓の桟が内側からの光をステンドグラスのように見せています。切り分けられた果物のように見える形ですが、屋根の形状が波打つような形になっているので、この窓の形をヨットの帆のようだと表す事もあります。ここの温泉施設は山と一体化していて、山の斜面をそのまま利用して建てられています。温泉施設と宿泊施設を繋ぐ渡り廊下もガラス張りで、夜になると屋内からの明かりで浮かび上がっているように見えます。冬季では、雪に囲まれた採光窓からあふれる光が雪に反射して虹のように煌めき、幻想的な雰囲気を醸し出しています。屋内の浴場の壁や床には、デュークホワイトと言う名の花崗岩(御影石)が使われています。イタリアの北部で採石される花崗岩で、白に近い色に大理石のような縞模様が見える石材です。また、サウナなどにはカナダ産のカエデ材が使われていて、天然素材をふんだんに使用した落ち着いた屋内空間が作り出されています。
「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」のまとめ
「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」は、スイス国内でもトップクラスのホテルの施設です。スイスアルプスの大自然に囲まれ、ゆったりとした時間を過ごすことができます。ファンタジーの世界に出てきそうな美しさを見せてくれる「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」は、非日常を過ごすことのできる最上の施設と言えるのではないでしょうか。
余談ですが、「チューゲン・ベルグオアーゼ・スパ」の設計者の名前が付いた星があります。イタリア北部にある天文台で、ドイツのアマチュア天文家が見つけたアステロイド・ベルト(小惑星帯)にある小惑星に「マリオ・ボッタ」と名付けました。
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