目次しらべ
「シェラトン湖州市温泉リゾート」のご紹介
中国では、古来より縁起が良いとされてきた形があります。亀甲の六角形や丸い形です。美しい湖と一体化して、縁起の良い形を作り出している建物が浙江省に建っています。ゆったりした時間を過ごすためのリゾートホテル「シェラトン湖州市温泉リゾート」をご紹介します。
「シェラトン湖州市温泉リゾート」の設計者
MADarchitects(アーキテクト、建築家、設計者の意)が「シェラトン湖州市温泉リゾート」の建設に携わりました。2004年に北京で事務所を構えたMADの中心は、二名の中国人、馬岩松(マ・ヤンソン)と党群(ダン・チュン)一名の日本人、早野洋介です。世界では大規模な建築企業が大きなプロジェクトを遂行していますが、その中にあって中国の建築業界は国内に留まる事がほとんどです。しかし、MADは中国国内に留まらず世界に飛び出して活躍していて、日本やヨーロッパにも数々の作品を送り出しています。現在、中国とアメリカ、イタリアの3か国に4つのオフィスを構えています。人的資源としては、設計や建築デザインだけでなく、建築物の関わる様々な事柄の能力を持つ100人以上のスタッフが在籍しています。主要メンバーの3人は、それぞれの出身大学で教鞭をとり、建築家を目指す後進の育成にも力を注いでいます。
「シェラトン湖州市温泉リゾート」の所在地
中華人民共和国の沿岸部の中ほどに浙江省があります。湖州市は浙江省の内陸部にあたり、太湖(たいこ)の畔の街です。太湖は大変大きな湖で、古代に於いては海の一部であったとされています。中国で三番目の大きさがあり、琵琶湖の三倍以上の広さがあります。大小の島々が浮かび、湖周辺には多くの峰々があり、有名な山もあります。丘陵地帯では石灰岩が多く、浸食によって大きな穴がたくさんある「太湖石」と呼ばれる奇石が切り出されています。豊かな水は、淡水魚の漁業や周辺の土地を穀倉地帯として育て、この地域は「魚米の里」と呼ばれるようになりました。また、養蚕発祥の地として「絹の府」と言う別名もあります。およそ4,700年前の物とみられる、絹の繊維やそれらを利用した様々な物がこの街の近くで出土しました。これらの出土品は浙江シルク博物館に収められています。現在も高品質の絹製品が作り出され、中国4大シルクの一つと言われています。
「シェラトン湖州市温泉リゾート」の特徴
「シェラトン湖州市温泉リゾート」の建物は、地上高が100m以上ありますが、半円形なので、あまり高さを感じさせません。地下2階、地上22階で、最上階は展望室のようになっていて太湖の景観を360度で楽しめるようになっています。まるで空中に浮かんでいるような風景を見ることが出来るようです。地上部分は半楕円形となっていますが、耐震性などを考慮して地下の2階部分が繋がっている構造になっています。半円の片方は陸地ですが、片方は水の中に接地してるので、湖から伸び上がっているようにも見えます。このような構造になっていることから、建物本体と湖に映る姿を合わせて大きな楕円形を作り出しています。このような外観は、太湖の水と一体化して初めて完成形となるように設計者がデザインしたと言われています。
この建造物を外から見るのなら、夜が断然きれいです。多数のLEDを利用して金や銀、青や紫など様々な色に彩られる姿は非常に美しいものとなっています。また、時期や催し物の時には、それに見合った模様や文字を描き出すこともできようになっています。白いアルミニウムのフレームに全面のガラス張りとなっていて、明るいお昼間は、クリスタルの様な輝きを見せてくれます。このような作りになっている為、どの部屋も広い窓を備えているので、太湖の素晴らしい景色を俯瞰的に見ることができます。
「シェラトン湖州市温泉リゾート」のまとめ
アメリカのホテルやリゾートを手掛けている、シェラトンホテルが太湖のそばに作ったスパホテルは中国国内だけでなく、海外からの宿泊客が多く訪れています。このホテルには結婚式場として、ホテルの建物のそばに円形の人工島も備えています。垂直の円と、水平の円をそろえて、中国で縁起が良いとされている「丸、夢が完結すること」と「円、良い縁があること」を表しているのでしょう。
コメントを残す