マサチューセッツ工科大学学生寮(Massachusetts Institute of Technology Student Dormitory)

「マサチューセッツ工科大学学生寮」のご紹介

 

 

 

 

 

 

 

 

大学の学生寮がこんなにおしゃれな建物だと、学生達がうらやましくなってくるかもしれません。
更に機能性まで重視されているとなると、尚更です。アメリカの有名な大学の学生寮をご紹介します。

「マサチューセッツ工科大学学生寮」の設計者

この学生寮を手掛けた建築家のスティーヴン・ホールは、1947年アメリカのワシントン州で生まれました。ワシントン大学を卒業後、ヨーロッパに留学し、ロンドンの有名な建築学校で建築を学び、帰国後ニューヨークに事務所を構え建築家としての活動を開始しました。

当初はアメリカ国内での活動が多かったのですが、1991年に日本の福岡県にある、いわゆるデザイナーズマンションのプロジェクトに参加したことが、彼が海外で活動するきっかけになったようです。このことは、幼いころ彼の父親が日本に滞在していたことで、日本の文化に触れる機会のあった彼には当然の事だったかもしれません。

最近ではヨーロッパやアジアでも彼の活躍の場は広がっています。彼の建築に関する基本的概念は、使う人の状況や意図を探り、特に光や空間の使い方に重点を置くことです。また、近年の様々な事柄に言える事ですが、環境に配慮した建物に仕上げることも大事な点となっています。例えば、エネルギーを極力使わない空調や明るさの取り入れ方法などが挙げられます。このように、次の時代も見据えた建築物を多く作り出しています。

「マサチューセッツ工科大学学生寮」の所在地

アメリカ合衆国のマサチューセッツ州ケンブリッジに、この学生寮はあります。イギリスにも同じ名前の街がありますが、同じように学園都市として栄えています。17世紀の初期に入植が始まり、18世紀から19世紀にかけて急激に発展してきました。入植が始まった当初はキリスト教の一派の人々が大勢やってきました。そのような経緯から、この地の最初の大学は牧師を養成するために作られました。その後、多くの大学がこの街にキャンパスを構えました。中には世界的に有名な大学もいくつかあります。初等、中等の学校もありますが、公立よりも大学進学のための私立の学校が多く作られています。このような環境なので、多くのIT企業や各種研究機関もこの街に拠点を置いています。街が出来た当初は製造業がこの街の経済を担っていました。特に19世紀の初頭に設立されたガラス工場は、最大の雇用と経済発展に寄与した会社でした。現在は、最先端のバイオテクノロジーやIT関連の企業がこの地の経済を支えています。

「マサチューセッツ工科大学学生寮」の特徴

「マサチューセッツ工科大学学生寮」は、「シモンズ・ホール」と言う名前が付いています。10階建てのかなり大きな建物で、遠くから見ると有名なパズルゲームのブロックに見えます。近づいてみるとニックネームにあるように巨大な「スポンジ」のように見えます。更に近づくと、たくさんの四角い窓が目立ちます。正面からは穴あきのグレーの建物ですが、斜めから見ると柱の横側に赤や青などの色がついているので、とてもカラフルです。

このように、見る角度と場所によって印象の変わる建築物です。色分けされているのには理由があって、建物の構造上、力の掛かり具合が一目でわかるようになっています。赤い色の場所は大きな力が掛かっている場所で、負荷がかかる割合が一番高くなっている場所となり、他に四色の色に分けられています。一番負荷のかからない場所には色が付けられていないので、アルミの色そのままになっています。

この建物には3,000以上の窓が取り付けられていて、窓枠は厚みが約45cmもあり、すべて開閉できるようになっています。これは、電気を使った空調でなく、自然の風を取り込むためと、夏の日差しを遮り、冬には逆に日光を取り込む役を果たすための構造となっています。無機質的な外見と違って、内部には広い空間と曲線を使った有機的な雰囲気のホールも備えています。

 

 

 

 

「マサチューセッツ工科大学学生寮」のまとめ

当然の事ながら基本的には部外者は中に入ることはできません。
しかし、大学側と交渉すればツアーとしての見学は可能のようです。工科大学の学生がこの寮で生活しながら学ぶことで、このような素晴らしい建築物を作るような人材が生まれるのではないでしょうか。

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