目次しらべ
壁石張りのご紹介
壁の石張りは、建築物の外観や内装において、高級感や品質感を演出するために広く用いられています。
近年、DIY(Do It Yourself)の流行が高まっています。
DIYの流行は、インターネットやSNSの普及により、DIYに関する情報やアイデアを簡単に入手できるようになったことが一因です。
また、手作り品やオリジナルのインテリアが、個性的であるとともに、自分で作ることで価値を感じることができるため、多くの人々に楽しまれています。
DIYは、リーズナブルなコストでオリジナルのアイテムを手に入れることができることや、自分で作り上げることで達成感を味わうことができることが人気の理由の一つです。また、DIYによって自分自身のスキルアップができることや、ストレス解消にもつながることが期待されています。
石張りはどうでしょうか?
内装壁の石張りをDIYで行うことは可能ですが、専門的な技術や経験が必要です。石張りの施工には、正確な寸法測定や石材のカット、接着剤の選定など、多くの工程が必要であり、初心者には難易度が高い作業となります。
また、石材は重く、かさばるため、運搬や設置には十分な体力と手際が必要です。さらに、DIYでの石張りには、安全性に配慮しなければなりません。施工中には、安全にかかわる作業が多く発生しますので、適切な安全対策を講じることが必要です。
したがって、石張りのDIYに取り組む場合は、専門的な知識や経験を持つ人と一緒に行うことをお勧めします。また、DIYで行う場合でも、事前に適切な調査と計画を立て、必要な材料や道具をそろえることが重要です。
それでは石張りの工法についてご紹介しましょう。
圧着工法(ボンドを使用する場合)
ボンド圧着工法とも言われる湿式工法です。
二液性のエポキシ樹脂系ボンドを1対1で混合して、石の裏面に4~5点団子状に付けたあと石を貼る工法です。コンクリートやラスカット、ケイカル板などが下地の時の工法で、高さが3mくらいまでの屋内壁面の石貼り施工に使用されることが多いです。ただし石材1枚の大きさが600角以下、尚且つ石厚20mm以下の石材に使用されることを勧めます。
1、下地はホコリ等がなく、十分な強度が備えていることを確認してください。
2、石の割り付けは仕上りを考えて高さ、通り、角度を水糸などで正確にだして墨出ししてください。
3、石材用セラミックボンド(エポキシ系ボンド)の配合比を守り、しっかりと練り合わせてください。
4、1枚の石に対して裏面に5点ほどダンゴ状にヘラで塗り付けます。
5、1枚づつ垂直、水平を見ながら、ボンドを押し潰すように貼り付けます。
6、ボンドの硬化まで石を固定するために止水材か瞬間接着剤で石を固定します。
7、石と石の間に3~5mm位のアクリル目地パッキンを挟むと目地がきれいにそろいます。
8、ボンドを硬化させるため1日おき、目地モルタルをゴムごてでしっかり詰めてください。
9、スポンジ等を使い、水で石をきれいに拭き取ります。
注意
①ボンドの張りしろは厚み約5~10mmくらいが施工しやすいです。
②ボンドの混ぜ合わせが不完全であったり、混合比率が違ってくると表面にボンド染みが出ることがあります。特に白系の石や透明感のある石が染みやすく、一旦ボンド染みが出ると補修や染色を行っても完全に元に戻すことは難しく、張り替えるしか方法がないと思われます。
③ボンド貼りの時の適した下地はコンクリート、モルタル、ラスカット、ケイカル板、コンパネ(内装制限床からH1200まで)などで、石膏ボードは石材が接着した後表面の紙と一緒に剥がれる可能性がありお勧めできません。
使用材料
石材用セラミックボンド 目地材 アクリル目地棒 瞬間接着剤 硬化促進剤 止水材 ヘラ ゴムごて スポンジ等
ディスクグラインダー ダイヤモンドカッター
参考
石材用セラミックボンド(内装用)
ボンド商事株式会社…BD石貼りエース
株式会社タイルメント…EPS-20
目地材
株式会社LIXIL…内装用防汚目地材スーパークリーンバス・トイレ
瞬間接着剤
高圧ガス工業株式会社…シアノン石材用ゴールド
東亞合成株式会社…アロンアルファ石材用F
硬化促進剤
高圧ガス工業株式会社…シアノンプライマースプレー300
東亞合成株式会社…アロンアルファアクセレレータースプレータイプ
止水剤
昭和電工建材株式会社…瞬結止水セメントショウワ止水剤‐P
ボンド商事株式会社…石材固定用急結セメントBD止水エース
ディスクグラインダー(現場加工用)
日立工機…HIKOKI G10VE
ダイヤモンドカッター(大理石用・御影石用)
ボンド商事…BD TAKA電着カッター大理石用
ボンド商事…BD TAKAシルバー レーザー御影石用
圧着工法(張付けモルタルを使用する場合)
モルタル圧着工法とも言われる湿式工法です。
コンクリート躯体やラスカットに張付けモルタルを塗ってから石材を貼る工法です。下地がコンクリートやラスカットの時に使用される工法で、高さが2mくらいまでの屋内壁面の石貼り施工に使用することを勧めます。そして石材1枚の大きさが400角以下、尚且つ石厚13mm以下の石材に使用されたほうがいいでしょう。
1、下地はホコリ等がなく、十分な強度が備えていることを確認してください。
2、石の割り付けは仕上りを考えて高さ、通り、角度を水糸などで正確にだして墨出ししてください。
3、下地に張付けモルタルを塗ります。
4、石の裏に張付けモルタルを塗ってから貼ります。
5、1枚づつ垂直、水平を見ながら、貼り付けます。
6、張付けモルタルの硬化まで石を固定するために止水材か瞬間接着剤で石を固定します。
7、石と石の間に3~5mm位のアクリル目地パッキンを挟むと目地がきれいにそろいます。
8、張付けモルタルを硬化させるため1日おき、目地モルタルをゴムごてでしっかり詰めてください。
9、スポンジ等を使い、水で石をきれいに拭き取ります。
使用材料
張付けセメント 目地材 アクリル目地棒 瞬間接着剤 止水材 ヘラ ゴムごて スポンジ等
半湿式工法(乾式空積工法)
乾式工法と湿式工法を両方取り入れた工法です。コンクリート躯体か鉄骨に石目地から引っ張りやすいところに合わせて配筋し、そこから引き金物を取る工法と、コンクリート躯体に直接石引アンカーを打って引き金物を取る工法があります。どちらも引き金物周辺を張付けモルタルで固定します。高さが3mくらいまでの屋内壁面の石貼り施工に使用されることを勧めます。石の厚みは20mm以上が安全です。
RC下地の場合
鉄骨下地の場合
1、下地はホコリ等がなく、十分な強度が備えていることを確認してください。
2、石の割り付けは仕上りを考えて高さ、通り、角度を水糸などで正確にだして墨出ししてください。
3、根石(1段目の石)を仮固定します。
4、根石裏側の呑みこみ部分の高さに裏込めモルタルを充填します。
5、ホールインアンカーボルトを打ち込みます。(下地が鉄骨の場合は不要です)
6、引き金物を取り付けます。
7、ダボピンを取り付けます。
8、張付けモルタルで固定します。
9、2段目の石を仮固定します。
10、5~9を繰り返します。
11、ホールインアンカーボルトを打ち込みます。(下地が鉄骨の場合は不要です)
12、引き金物を取り付けます。
13、最上部の石を固定します。
乾式工法
ファスナーと呼ばれるダボピンの付いたステンレス製金物を躯体に固定して石を取り付ける工法を乾式工法といいます。施工の高さは高くても30mくらいまでの外壁に使用されることが多いです。石の厚みは25mm以上が安全です。石の割付サイズ、施工高さ、石種、石厚によって、金物強度等の強度検討が必要です。
1、下地はホコリ等がなく、十分な強度が備えていることを確認してください。
2、石の割り付けは仕上りを考えて高さ、通り、角度を水糸などで正確にだして墨出ししてください。
3、根石(1段目の石)を仮固定します。
4、根石裏側の呑みこみ部分の高さに裏込めモルタルを充填します。
5、ホールインアンカーボルトを打ち込みます。
6、ステンレス金物を取り付けます。
7、ダボピンを取り付けます。
8、2段目の石を仮固定します。
9、5~8を繰り返します。
10、ホールインアンカーボルトを打ち込みます。
11、ステンレス金物を取り付けます。
12、最上部の石を固定します。
RC下地の場合
参考
取付金物など石材用副資材取扱い会社のご紹介
コメントを残す