目次しらべ
「フリードリヒ バイエル橋」のご紹介
都市は様々な問題を抱えています。しかし、多くの人が暮らしている事を考えると、1人1人が少しでもその問題に関心を持つだけで状況は変わってきます。例えば、街の中の移動に自動車を使わず、徒歩や自転車を選べはそれだけで環境に対する負荷が減ってきます。とは言っても、長い距離を歩くことは時間がかかってきます。南半球で最大の都市にはいくつもの川が流れていて、いくつもの橋が架けられています。その中の1つ、「フリードリヒ バイエル橋」は、歩行者が安心して渡れる独特の形状と役割を持っている橋です。
「フリードリヒ バイエル橋」の設計者
「フリードリヒ バイエル橋」を手掛けたのは、ブラジルのサンパウロに拠点を置く、「ローブ・カポーティ建築と都市計画」です。この事務所はロベルト・ローブとルイス・カポーティの2人に加え、ダミアーノ・レイテとシャンタル・ロンゴの4人が率いていて、2012年に現在の形になった会社です。元々はロベルト・ローブが開設していた「ロベルト・ローブ&アソシエイツ」と言う事務所にルイス・カポーティが入社したことが始まりで、数年後に2人で運営するようになっていました。ロベルト・ローブは1941年にサンパウロで生まれました。彼の父親は中央ヨーロッパのハンガリー出身で宝石職人をしていましたが、大きな戦争がヨーロッパ全体に広がる直前にブラジルへ渡りました。母方の祖父母は現在のウクライナからの移民で、移民の家系であることが彼の建築や都市計画の根本となっています。後に教鞭を執る様になったサンパウロの大学で建築を学び、1987年に自らの建築事務所を創設しています。ルイス・カポーティは1975年生まれで、ロベルト・ローブが通った同じ大学で、建築を学びました。2000年に「ローブ・カポーティ建築と都市計画」の前身である「ロベルト・ローブ&アソシエイツ」に入社して、現在に至ります。彼らは、大都市でありながらサンパウロが独特の性質を持っていることに着目しています。地球上の様々な場所からの移民が多く、その人々が持ち込んだ多様な文化や習慣が混在していました。しかし、近年ではその特性が失われつつあることを憂えています。デザイン重視ではなく、その場所の特性やその時に求められていることを重要と考え、建築や都市計画を進めています。
「フリードリヒ バイエル橋」の所在地
「フリードリヒ バイエル橋」は南米で最大の面積を誇るブラジル連邦共和国で最大の都市、サンパウロに建設されました。この街は南米大陸は元より、南半球で最大規模の都市です。大西洋には面していない街ですが、貿易のための港は南に約60kmに位置するサントスという港湾都市がサンパウロの港も兼ねています。東南アジアとほぼ同じくらいの緯度ですが、冬季には気温が20℃を下回り、夏季でも最高気温が30℃を大きく上回る事は少ないようです。街には複数の川が流れていて、そのうちのグアラピランガ川は、20世紀の初頭に水力発電の為に堰き止められていて、現在は貯水池となって都市の水を賄っています。グアラピランガ貯水池は、水辺の行楽地として、水上スポーツや市民が休暇を楽しめる施設が整えられています。サンパウロは大都市にも関わらず緑地が多く、都市圏内に100を越える公園があります。その中には自然保護区も含まれていて、危機に見舞われる可能性のある生物多様性の豊かな場所であるホットスポットの1つになっています。緑地面積は都市圏のおよそ半分を占め、ユネスコの生物圏保護区に指定されたところもあります。都市が拡大していたころには、環境汚染が深刻になっていましたが、近年では森林や河川の環境を改善する施策が行われています。
「フリードリヒ バイエル橋」の特徴
「フリードリヒ バイエル橋」は、サンパウロを流れる3つの川が合流する地点に建設された歩行者と自転車のための可動橋で、2013年に完成しました。この橋の最大の特徴は、川を航行する船の進行を妨げないように可動する部位が大きな円形をしていることです。加えて、橋の上に人がいても可動できることも特徴の1つになっています。全長約90mのこの橋は、3つの部分に分けられています。両岸から伸びた橋は、2個所の橋脚で支えられ、中央部分が水平に稼働して船を通します。橋脚はコンクリートで作られていて、その上に円形の庭のような部分が乗せられています。この地域で元々育っていた植物が植えられている円の外縁は鉄製で大きな空間が均等に開けられていて、橋を渡る人が川面の景色を見やすいようにと考えられています。浅い川や池を渡るために置かれる飛び石のようにも見える円形のこの部分は、熱帯地方に生える日本ではオオオニバスと呼ばれるビクトリア・アマゾニカの巨大な葉から発想を得た形です。円形の中心部分は船が通る時に、互いに違う方向に最大90度動くようになっています。電動のモーターを使っていますが、水平に動くことによって、可動のためのエネルギー消費は抑えられています。橋の床は半分木製で、歩行者が通行しやすいようになっています。もう半分は溝蓋などに使われるグレーチングのような格子状の物が使われていて、排水性を高めています。
「フリードリヒ バイエル橋」のまとめ
以前は歩行者が対岸に渡るために30分以上かかっていた地域に「フリードリヒ バイエル橋」が架けられたことによって、徒歩での移動が楽になり、自動車から出る二酸化炭素の排出量を減らすことができました。川の中心部に中庭を設けた「フリードリヒ バイエル橋」は、通勤や買い物などに加え、日常の余暇の楽しみも提供している橋となっています。
建築・インテリアに関する石材メディア 










コメントを残す