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「ピエール・ブーレーズ・ザール」のご紹介
フランス出身で、晩年をドイツで過ごしたピエール・ブーレーズと言う作曲家であり、指揮者がいました。その彼の功績を称えた室内音楽ホールがドイツの首都ベルリンに作られました。音楽を愛し、楽しんだ音楽家の為らしいホールとなっています。ザール(saal)とはドイツ語でホールと言う意味です。
「ピエール・ブーレーズ・ザール」の設計者
ユダヤ人の両親を持つフランク・オーウェン・ゲーリーの元々の名前はフランク・オーウェン・ゴールドバークと言いました。姓を変えたのは、生まれ故郷のカナダからアメリカ合衆国に移り、20代で結婚、子供をもうけた時にユダヤ人を嫌う人々からの影響を避けるためでした。彼の作る建築物の特徴の一つに、外壁を覆うために金属を多く使ったものがあります。これは、子供の頃に祖父が商っていた金物店の手伝いなどをしていたことが、良い結果を生んだのではないでしょうか。建築家の仕事は、様々な用途の建物に相応しい作りにしなくてはなりません。しかし、それだけでは面白くないと考えた彼の原点は、やはり幼少時に刻まれた数々の事柄だったのでしょう。そして、色々な経験や困難にあったことも彼の糧になっていると言えるでしょう。
「ピエール・ブーレーズ・ザール」の所在地
ドイツ連邦共和国の首都ベルリンには色々な異名があります。「音楽都市ベルリン」と言うのもその一つです。市内には大小合わせて200以上の劇場があり、有名なオペラハウスも複数あります。そのオペラハウスの中でも著名な3つの劇場は専属のフルオーケストラを持っていて、これは世界の数ある大都市でも随一の事です。それ以外にも7つのオーケストラが活動しています。第二次世界大戦が終わって、西と東に分割されてしまったベルリンですが、戦後数か月で仮の劇場が作られて音楽活動が再開されました。1年を通して上質な音楽が楽しめる街ですが、毎年9月にはベルリン・フィルハーモニー管弦楽団がホストを務める「ベルリン音楽祭」が開催されています。ドイツ国内は元より、外国の一流オーケストラや音楽家が一堂に会し、音楽ファンを魅了しています。
「ピエール・ブーレーズ・ザール」の特徴
2017年に開館した室内音楽ホールです。この建物は元々倉庫でした。中世ヨーロッパの商社の社屋の様な外観で、大き目の建物ですが街に溶け込んでいるように見えます。建物そのものは、中世風の外見で、いわゆる真四角な作りになっています。特徴があるのは屋内です。一言で言うと、四角い建物の中は丸い部屋になっています。基本的には、円形劇場のような楕円形のスペースの一番低いフロアの真ん中で演奏されます。外から見ると3から4階建てに見えますが、その分の高さの高い天井になっていて、とても広い空間が作られています。2階部分に相当する場所にバルコニーが設けられています。緩やかな傾斜を持たせて、ホールをぐるりと取り巻いていますが、支えるための柱などは無く、壁に直接取り付けられているのでもありません。壁の数か所で支えているだけなので、まるで浮いているようにみえます。建物は石やモルタルなどで作られていて、屋内は木材が主に使用されています。形状の違いと素材の違いがうまく融合したホールになっています。
「ピエール・ブーレーズ・ザール」のまとめ
音楽家ピエール・ブーレーズと建築家フランク・オーウェン・ゲーリーは共通する事柄がいくつかあります。まず、いつまでも好奇心を忘れない事、そして部門は異なりますが、同じ高松宮殿下記念世界文化賞を受賞しています。特にピエール・ブーレーズは第1回目の音楽賞を受賞しています。どのような分野でもいつまでも挑戦し続ける事は、大変なエネルギーが必要でしょうが、なんでも見てやろう、知ってやろうと言うような気持ちが前に押し進める原動力となっているのではないでしょうか。
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