ヘンリー4世 フランス産グレーの大理石のご紹介

ヘンリー4世(Henri Iv)のしらべ

在位していた頃に良王と呼ばれたアンリ4世は、現在でもフランスの人々に人気のある王様です。その名前を冠した大理石が、フランスの南部、スペインとの国境に近い所で採石されています。
Henriはフランス語読みでアンリ、英語読みでヘンリー、「ヘンリー4世」は風格のある雰囲気を持つ濃いグレーの大理石です。

 

 

 

 

 

「ヘンリー4世」の原産地

フランス共和国の南西部に位置するヌーヴェル=アキテーヌ地域圏(州)ピレネー・アトランティック県の県庁所在地が古都ポーです。
この地域圏はスペインと国境を接している場所で、2016年に3つの地域圏を統合して発足しました。
ポーは、ユーラシア大陸の一番西の山脈であるピレネー山脈と大西洋に接した、自然豊かで歴史のある都市です。
16世紀に在位していた良王と呼ばれたアンリ4世の出生地で、今も残るポー城はおとぎ話に出てくるような美しいお城です。
現在は国立美術館として、当時の調度品や美術品、アンリ4世にまつわる様々な品物などが展示されています。
また、この街は古くから各種のスポーツが盛んで、ヨーロッパでは初めてのゴルフ場やテニスコートが作られ、市街地を走る自動車レースも開催されています。
中世の雰囲気を残す街並みをレーシングカーが走り抜ける姿は、ミスマッチなようですが、一味違うモータースポーツの醍醐味が楽しめるイベントです。
他にも、毎年7月に開催される自転車のロードレースであるツール・ド・フランスに於ける、ピレネー越えのスタート若しくはゴール地点となっています。

「ヘンリー4世」の特徴

本磨き

 

濃いグレーの地に、白く細いスジや帯の様に広く薄いグレーや白い部分があり、白い塊が入る場合もある大理石です。落ち着きのあるダークグレーは黒よりは暗くなりすぎず、薄い色よりは安定感のある色となっています。
同じモノトーンでも、白と黒のものよりグレーと白の組み合わせの方が柔らかいイメージがあるようです。また、幅広の色が薄い部分の中には、更に柄を作り出すように白や濃さの違うグレーが入り込んでいます。
白とグレーと言っても色の濃さが少しずつ変わるので、単純に2色の石とは言い切れません。「ヘンリー4世」を灰色にしているのは、見た目が金に似ていることから「愚者の黄金」と呼ばれる黄鉄鉱(おうてっこう、パイライト)です。
見た目は金色に近い色をしていますが、この鉱物を粉末状にした時には黒っぽい色をしていることから、石灰岩が形成される時に混じって灰色になったようです。黄鉄鉱の含有量や入っている場所によって、色の濃さが変わったり模様の様になったりします。

「ヘンリー4世」を取り扱う時の留意点

色調の違い

灰色若しくはグレーと一般的に言われる色には、僅かずつ色の違いのある数十種類の名前があります。純粋に白と黒を混ぜ合わせたような色だけでなく、青味を帯びた色や赤味の差した色があります。
「ヘンリー4世」は影のあるグレーで、濃い色をしていますが、見る角度によっては青味のある色に見えます。白いカルサイトの入り方にも差があり、細かく見えるものや、大きく帯の様に見えるものがあります。
自然が創り出した石なので同一の色柄はありません。タイル状の大理石を床などの広い所に使う場合には、仮置きしてから使用するのがよいでしょう。

傷がつきやすい

石は硬いイメージがありますが、大理石は比較的柔らかい石です。加工が容易だという点で、美術品や雑貨にも利用されますが、傷もつきやすくなります。
特に表面を磨いた鏡面加工の石材の場合には注意が必要です。
「ヘンリー4世」は色と柄の特徴から傷が目立ちにくいのですが、だからこそ気が付いた時には早めの対処が必要となってきます。傷を放置すると、そこからほこりなどの汚れが入り込んで更に状態を悪化させることになります。

名称について

「ヘンリー4世」は英語読みです。フランス語読みのアンリ4世と言われる事もありますが、同じ採石場から切り出された大理石です。

「ヘンリー4世」に適した製品

床材

落ち着いた色合いの「ヘンリー4世」は床材として利用されることが多くあります。モノトーンの中間色ですので、どんな色合いや濃さの石とも相性が良く、床面に描き出されるモザイク模様を引き締める役割としても効果的です。

柱や壁のアクセント

シルバーにも見える「ヘンリー4世」は、広い空間にメリハリをつける役目も果たせる石材です。また、目印にもなり、エレベーターホールなど控えめに目立たせたい場所に使うことも有効ではないでしょうか。

「ヘンリー4世」のまとめ

16世紀のフランスに在位していた、大王とも呼ばれるアンリ4世の生まれ故郷で切り出される「ヘンリー4世」は、その名に恥じない品のある大理石と言えます。
灰色は負のイメージが多いのですが、落ち着きや静けさも持ち合わせている色です。
アンリ4世は現在でもフランス国内で非常に人気のある王様で、紙幣の肖像にも使われています。
フランス語で再生や復活を意味する、ルネッサンスの時代に活躍した良き王様の名前を頂いたワインもあります。
「ヘンリー4世」は同じ名前の王様と同等の気品があり、格調の高い大理石と言えるのではないでしょうか。

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