バルディリオ インペリアーレ イタリア産グレーの大理石のご紹介

バルディリオインペリアーレ(Bardiglio Imperiale)のしらべ

灰色の色見本のような、とても珍しい大理石があります。グレーは地味な色の代表の様なイメージがありますが、使い方次第で非常に洗練された雰囲気にできる色ではないでしょうか。様々な灰色を内包する大理石の「バルディリオ・インペリアーレ」をご紹介します。

 

 

 

 

 

 

「バルディリオ・インペリアーレ」の原産地

ユーラシア大陸から地中海に張り出したブーツの形をしたイタリア共和国の西側、リグリア海に面したトスカーナ州にルッカ県があります。県都のルッカは古い街で、ローマ時代という古代文明と、中世に花開いたルネサンス期において素晴らしい芸術が栄えた恩恵を受けました。

ルッカにも各時代の遺産とも呼べる荘厳な教会建築物や、各種芸術品が多く残されています。特に「ドゥオーモ」と呼ばれるゴシック様式の大聖堂は、一見の価値のある建築物と言えるでしょう。この街は、多くの著名な音楽家も生み出しています。18世紀に活躍したチェロ奏者であり、作曲家でもあった「ルイジ・ボッケリーニ」が生を受け、19世紀には若くして亡くなったオペラ作曲家の「アルフレード・カタラーニ」の出身地でもあります。

また、日本にもなじみのある、長崎を舞台にした「蝶々夫人」などの名曲を作り出した19世紀の作曲家「ジャコモ・プッチーニ」の生誕の地で、生家はプッチーニ博物館となっています。

 

「バルディリオ・インペリアーレ」の特徴

本磨き

大理石の「バルディリオ・インペリアーレ」は、様々なグレーだけの色をした大理石です。地色は濃い目のグレーで、その中に黒に近い灰色や、薄い灰色の流れるような模様が入っています。中には、地色が薄めの灰色で黒に近いスジの入っているものもあり、全く違う石種のように見える場合もあります。

大理石の色を決めているのは様々な含有鉱物ですが、灰色を引き出しているのは「黄鉄鉱(おうてっこう、またはパイライト)」です。黄鉄鉱そのものは金色に近い色をしているので、「愚者の黄金」と言う異名があります。そのような色をしている黄鉄鉱ですが、粉末状にすると黒っぽい色をしています。黄鉄鉱の量の多少でグレーの濃さが変わって模様を作り出しているようです。灰色だけでこのような模様を引き出していることから、正真正銘のモノトーンの石と言えます。

「インペリアーレ」とは皇帝を表す言葉で、「バルディリオ・インペリアーレ」は正に灰色の大理石の皇帝とも言える代表的な石と言えるでしょう。

 

「バルディリオ・インペリアーレ」を取り扱う時の留意点

 

単色に近い濃い色は傷が目立ちます。

基本的に濃いグレーなので、傷が付いた場合に遠くから見ても非常に目立ちます。「バルディリオ・インペリアーレ」は比較的柔らかい部類の石ですので、彫刻などによく使われていますが、加工しやすい利点は傷が付きやすい欠点にもなります。傷が付かないように硬いものや、先端の鋭いとがったものなどをぶつけないように気をつけてください。また、オブジェなど手で移動できるものの場合には、欠けたり、割れたりする可能性があるので、落とさないように注意してください。

色の違い

ほぼ一種類の色だけしかない「バルディリオ・インペリアーレ」ですが、濃さに違いがあって、様々な模様も見られる大理石です。地色の濃さが違うと、全く別の石のように見える場合もあります。また、模様の入り具合によっても雰囲気がガラリと変わります。このような違いがある事を考慮して、広い所に使う場合はデザイン等で使い分けてください。

「バルディリオ・インペリアーレ」に適した製品

内装材

壁材としてよく使われます。モノトーンは、スタイリッシュな空間を作り出すために最適な色と言えるでしょう。上部を白大理石、下部を「バルディリオ・インペリアーレ」といった色の組み合わせの壁にしている例もあり、洗練されたイメージになります。白と黒の組み合わせより柔らかい感じになり、応用できる範囲が広がるのではないでしょうか。また、床材として使われる場合には、濃い目の色が安定感のある落ち着いた雰囲気を作り出してくれるでしょう。

オブジェ

加工が容易なので、色々なオブジェも作られています。芸術的作品から、お部屋のアクセントに使えるような小さいサイズの置物などがあります。「バルディリオ・インペリアーレ」は無彩色なので、どんな空間にも違和感なく使えます。また、濃いグレーのオブジェは飾る場所のカラーによって、イメージがずいぶんと変わるでしょう

 

「バルディリオ・インペリアーレ」のまとめ

「バルディリオ・インペリアーレ」は、曇天の空をそのまま地面に置き換えたような色です。様々なグレーは和名で見ると、鈍色、ねずみ色、浅葱色、薄墨色などいろいろな呼び方と色があります。光の当たり具合でも色が違って見えるでしょう。人工的に作り出した色ではなく、自然の作り出した色は素晴らしい持ち味となって「バルディリオ・インペリアーレ」を無彩色でありながら、彩りのある大理石にしているのではないでしょうか。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

300角…14487円
400角…15276円

2022年11月のしらべ

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