コーラルリーフ(Coral Reef)ベージュ系インド産御影石のご紹介

コーラルリーフのしらべ

 

海を彩る美しい珊瑚礁の名前が付いた御影石があります。インド南部の山から切り出されている「コーラルリーフ」と言う名の御影石です。「コーラル」とは珊瑚色と言う意味があります。

 

「コーラルリーフ」の原産地

 

インド共和国の南部中央に国内で一番新しい州があります。2014年にアーンドラプラデーシュ州から分割されたテランガーナ州で、州都ハイデラバードは数年間二つの州の州都を兼ねています。御影石の「コーラルリーフ」は州の西部にあるメダック県で採石されています。とても古い歴史がある所で、インド中央にあるマディア・プラデーシュ州の世界遺産「カジュラーホーの建造物群」に見られる様式の、ヒンドゥー教やジャイナ教の美しい寺院があります。それらの寺院は、現地ではアーンドラプラデーシュのカジュラーホーと呼ばれています。また、最新の技術を駆使した研究所もあります。「国際半乾燥熱帯作物研究所」と言う民間の非営利団体が活動の拠点を置いています。そこでは、スマートフードと呼ばれる、栄養価が高く、半乾燥の過酷な土地でも育てやすい作物を作り出す研究が行われています。それらの作物を育てる過程では、回りの自然環境に負担をかけないようにすることも大事な事柄の一つとなっています。

 

「コーラルリーフ」の特徴

本磨き

JB仕上げ

「コーラルリーフ」は、マルチカラーまたは、ピンクと分類される御影石です。「コーラル」とは珊瑚色の他に黄色味を帯びた赤と言う意味もあります。その名に近い色をしている御影石です。基本的には赤味のあるベージュ系の石で、黒い粒子が点々とスジのように並んで模様を作り出している部分があります。それは、大理石によく見られるような流れ模様に似ていて、珊瑚礁の周りに打ち寄せる波を思い浮かべるような雰囲気を持っています。黒い粒子は黒雲母と呼ばれる鉱物の色で、火成岩の中に入っている黒い点のほとんどを占めています。半透明な感じの白っぽい薄い灰色の部分もあります。これは構成物質の石英の色です。全体の色については、マルチカラーと言われる事もあって、無彩色のグレーにが流れ模様が入る場合と、全体に薄いピンク色に見える場合があります。流れ模様はランダムで、模様の濃さには大きな違いはありません。石目は中くらいですが、一般的なインド産御影石の良い点である吸水率の低さと、経年劣化に対する強さを持っています。

 

「コーラルリーフ」を取り扱う時の留意点

 

柄のある御影石は汚れが目立ちにくいですが、シミは目立ちます

 

油ジミ

天然石のキッチン天板など、高級感があってとても素敵ですが、キッチンでは植物油を使うこともあるでしょう。鉱物油だけでなく、植物油でもシミになります。油が付いた時に、すぐ拭き取れば問題ないのですが、放置するとしみ込んでしまうことがあります。油によるシミは専門家でも元通りにする事が難しくなるので、付着した時には速やかにふき取ってください。

 

汚れのシミ

床などに使われる石材は、ツヤ消しの表面がザラついたものがよく使われます。そのような表面のものでは、ホコリや土汚れが付きやすく、その上に雨などで水濡れしたときなど吸水率が低いとは言え放置するとシミになってしまいます。更に屋外でそのような状態を放置すると、カビや苔の発生につながります。美しさを長持ちさせるためにも、日常的なお手入れを欠かさないようにしてください。

 

「コーラルリーフ」に適した製品

 

明るい色合いの「コーラルリーフ」で生活空間を彩る

 

表札、ネームプレート

ショップや住宅の顔である表札やネームプレートに柔らかい色の御影石を使えば、印象が一段と上がるのではないでしょうか。「コーラルリーフ」は薄めの明るい色なので、文字を濃い色にすればとても良く目立ちます。最近は一般家庭でも表札ではなくネームプレートの形を取られる事もあります。「コーラルリーフ」を使えば、個性あふれるネームプレートに仕上がるのではないでしょうか。

 

天板

「コーラルリーフ」は、キッチンだけでなく洗面台の天板にも使われます。インド産の御影石は品質のよいものが多く、撥水処理を行えば万全の石材になります。常に水を使う場所での使用にも耐える良い材料です。柔らかい色合いで、石材の冷たいイメージを取り除いてくれます。一味違う御影石の「コーラルリーフ」を使ったキッチンは、オリジナリティあふれる空間になるのではないでしょうか。

表面の仕上げについて

 

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

 

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

 

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「コーラルリーフ」のまとめ

 

「コーラルリーフ」とは珊瑚礁を示す言葉であり、珊瑚を表す「コーラル」は黄色味のある赤い色の意味もあります。色の名前はたくさんありますが、よく使われる似た色の名前では、サーモンピンクに近い色です。和名で言えば朱鷺色でしょうか。そんな粋な名前の付いた御影石は様々な場所を彩ってくれるのではないでしょうか。

2022年11月のしらべ

 

 

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