グランぺルラ ポルトガル産の白い御影石のご紹介

グランペルラ( Gran Perla )のしらべ

 

ヨーロッパ大陸の西の端、イベリア半島のほぼ真ん中で切り出されている白系の御影石があります。一風変わった雰囲気を持つ御影石は、ヨーロッパの出身であることがふさわしい感じがします。モノトーンの中にも華やかさを感じさせる、御影石の「グラン・ペルラ」をご紹介します。

「グラン・ペルラ」の原産地

ポルトガル共和国の北西部に位置する、ブラガ県のギマランイスと言う街の近郊で御影石の「グラン・ペルラ」が切り出されています。この地域には、三千年前以上も前に人々が暮らしていた形跡が残っています。人類が金属を利用し始めた頃には集落があったようです。また、古代ローマの支配を受けていた証も残されています。12世紀から20世紀の初頭までこの国は王国でした。王国が最大の勢力を誇っていた時代には、現在のブラジルや南部アフリカの一部も支配していました。その初代国王が生まれた地であることから、この街は「ポルトガル発祥の地」または、「ゆりかごの都市」とも呼ばれています。このような経緯があった為、街の中心部には中世に建造された城や教会、修道院などが多く残されています。街の周辺は近代的な建物も立ち並んでいますが、このような歴史を物語る建築物は後世に残す価値があると認定され、2001年に旧市街地を「ギマランイスの歴史地区」としてユネスコの世界遺産に登録されました。

 

 

「グラン・ペルラ」の特徴

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

御影石の「グラン・ペルラ」は、白系に分類される花崗岩です。白とグレーの中に黒い粒子が入っています。大きめの柄で、グレーの中から白い石が浮かび上がってくるように見える模様になっています。グレーの部分は色に多少の違いがあり、色が薄い場合には全体的に均一な色柄に見えます。濃い灰色になると、白と色の差が大きくなるので、冷たい海に無数の氷が浮かんでいるようなイメージがあります。このように構成される鉱物が大きい御影石は、「巨晶御影(きょしょうみかげ)」と呼ばれる事もあります。鏡面加工の場合はモノトーンの柄がはっきりとしていて、ツヤを抑えた加工になると白と言うよりグレーに見えることがあります。柄が大きいと言う事は、御影石を構成している鉱物がそれぞれ大きいので、目に見えるわけではありませんが隙間が生じています。したがって吸水率が少し高めになっています。ツヤ消しの表面加工の場合は、表面の凸凹により一層吸水しやすくなります。

表面の仕上げについて

 

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

 

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

 

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

 

「グラン・ペルラ」を取り扱う時の留意点

特徴的な美しさを長持ちさせる。

水による劣化や汚れ等を防ぐために使われる薬剤があります。

御影石は一般的に吸水率が低いとされています。しかし、天然の石ですのでまったく水を吸わないわけではありません。加えて、「グラン・ペルラ」は構成鉱物が大きいので、吸水率も高くなっています。微細な穴や隙間に入り込んだ水は御影石の大敵です。寒冷地においては、冬季の低温で水分が凍って割れ目ができることがあります。また、沿岸部では塩害の影響を受けることもあります。浸み込んだ水分によって鉄鉱物から錆が浮き出たり、カビが生えたりします。水が浸み込むのを防止する薬剤や撥水する薬剤を塗布することで、先に挙げた不具合を防止することができます。このような施工は、信頼できる専門家にまかせるのが一番効果的です。

お手入れも大事です。

先に記したようなコーティングを施しても、それを過信しないで定期的なお手入れが必要です。通常の場合は、簡単な拭き掃除や掃き掃除でホコリやゴミを取り除くだけで十分です。油分やこびりついた汚れは中性洗剤を薄めてふき取ってください。その後は、洗剤成分と水分を速やかにふき取るのを忘れないようにしてください。

「グラン・ペルラ」に適した製品

建材として

壁や柱などは美しい鏡面を出した石材が使われます。「グラン・ペルラ」の特徴的な模様を生かせる最適な使用方法でしょう。ツヤ出しの素材だけでなく、ツヤ消し、割肌と言った違う表面の石材を組み合わせてデザイン化した施工も成されています。「グラン・ペルラ」は彩色の無いモノトーンの石ですが、大き目の柄が華やかな雰囲気も醸し出してくれるのではないでしょうか。

 

天板など

天然石のキッチンやテーブル、カウンターなどは高級感があるので、ショップなどではイメージアップの為の良い素材ではないでしょうか。水回りに使われる場合には、しっかりとしたコーティングを施した物を使用する事をお勧めします。「グラン・ペルラ」の個性的な柄は、オリジナリティあふれる空間を演出できるアイテムと言えるでしょう。

 

「グラン・ペルラ」のまとめ

「グラン・ペルラ」の採石場がある街は、古代のヨーロッパの各都市と同じく様々な権力者に支配されてきました。その中の一つに「カスティーリャ王国」があります。この王国のポルトガル語読みは、江戸時代からあるお菓子の名前となっています。南蛮渡来と言われた「カステラ」は、今でも人気のあるお茶請けの一つです。このような事柄を知ると、御影石の「グラン・ペルラ」も一層身近に感じられるのではないでしょうか。

2022年11月のしらべ

 

 

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。