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G430のしらべ
中国からは大陸の文化や様々な品物が数百年前から日本に入ってきています。そのほとんどが貴重な物や珍奇な品で、当時の権力者や富裕層に喜ばれてきました。現在もいろいろな物が輸入されています。多種多様な御影石も含まれていて、国産には無い色や柄の御影石もたくさんあります。「G430」もその中の一つと言える白い御影石です。
「G430」の原産地
御影石の「G430」が採石されているのは、中華人民共和国の南部、南シナ海に面した地域に当たる広東省です。広州や香港などの大都市を擁する自治体で、海に面している事から江戸時代の頃から日本との交流もありました。「食の都」と呼ばれる地域で、主に四つの料理から成り立っている広東料理があります。世界中で中華料理として食されている一番多い料理で、日本でもよく知られている酢豚や、フカヒレスープなども広東料理のメニューになります。豊富な海の幸に恵まれ、魚介類の乾物から取り出される旨味と薄味が持ち味となる料理で、幅が広い事が特徴のひとつですが、食材の豊富さがそれを助けています。海産物は元より、多様な農作物や畜産物がこの地域の食文化を盛り上げていると言えます。また、「飲茶」の習慣も中世には確立されていました。当時は間食として良いお茶を飲み、お茶請けとしてシュウマイやエビ餃子などの点心を食べていましたが、最近では朝食や昼食で飲茶を楽しむ人も増えています。
「G430」の特徴
「G430」は白御影石ですが、少し変わった石目をしています。色もグレーの部分が薄い青味を出している物があり、「ブルー・ギャラクシー」と言う別名が使われることもあります。基本的には大部分が白く、その中にグレーの結晶と黒い粒子があり、柄を作り出しています。白とグレーが同じくらいの大きさで入っているものが大半ですが、所々に白い大きな塊が入っていて、柄を大きく変えるような特徴的な模様を見る事ができます。この場合には、白い塊の周りをグレーの粒と黒い粒子が埋めているような雰囲気になったり、逆に、細かなグレーと黒い粒子の集まりから白い塊が浮かび上がるような感じになったりしています。この見た目が「G430」の一番の特徴と言えるでしょう。表面加工の違いでも見た目が変わります。ツヤのある加工の場合では、白と薄い灰色の部分と黒い粒子がはっきり見えて特徴的な柄もよくわかりますが、ツヤの無い加工ですと全体に薄いグレーに見えます。
「G430」を取り扱う時の留意点
自然の岩石なので、わずかな隙間があります。
御影石は、学問上の岩石名で言えば花崗岩がほとんどを占めています。緻密で硬い石が多いのですが、目に見えないほどの隙間や、孔があります。花崗岩は主に長石と石英と色を引き出す有色鉱物から成り立っていますが、性質の違う物質が寄り集まって出来上がっているので、わずかな隙間ができてしまう事は否めません。この隙間から水が侵入することがあり、水分によって石に含まれる様々な鉱物が酸化することもあります。これが染み出して「サビが浮く」と言われる状態になることがあります。「G430」は色が白いので、サビが浮くと見立ってしまいます。予防もできますし、メンテナンスもできますが、専門家に任せるのが一番良い結果を得られるでしょう。
白いので汚れが目立ちます
「G430」は真っ白とは言えませんが、非常に薄い色をした御影石です。石材に限らず、白い色のものは汚れが付着した時にとても目立ってしまいます。床材として使用した場合には、様々なものがその上に置かれる可能性があります。例えば鉄製の物を置いた時などは、金属に浮かぶ錆が付着すると取れにくくなってしまいます。このような事が起こる可能性もあるので、何かを置く時には敷物を敷くなどの配慮が必要となってきます。
表面の仕上げについて
基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。
本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。
この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。
「G430」に適した製品
清潔感のある白い御影石です。
天板
キッチンや洗面台の天板に使われます。「G430」は白い御影石なので、明るい感じになり、また、結晶の大きさがランダムな事から華やかなイメージも持っています。水をよく使う場所なので、吸水によるサビが出ないように、前もって撥水処理を施した物を使われる事をお勧めします。石材の高級感と「G430」の柔らかい白は清潔感もあり、キッチンにぴったりの素材ではないでしょうか。
PCのクーラー代わりに
天然の御影石は、陽の当たらないような所ですとひんやりしています。このような熱伝導率の低さを利用して、ノートPCなどの過熱防止のための台に使うことができます。一回り大きいサイズの石板を使えば、マウスパッドとしても使えます。ツヤのある表面なので滑りもよく、滑らかな使い心地になるのではないでしょうか。デスクの上などに置かれる場合には、傷防止のために裏側にフェルト等を張り付けるとよいでしょう。
「G430」のまとめ
御影石と聞けば建築用の素材とか、神社の鳥居や石灯籠などの大きなサイズの石造品を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。以前はそのような使い方がほとんどでしたが、最近は手軽に使える物や、身近で使用する新しい製品が考え出されています。タイル状の石板一枚でも、色々な使い方がまだまだ考えられるのではないでしょうか。
現在、閉山となっております。
参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)
本磨き、ジェットバーナー仕上げ共
300角…9920円
400角…9920円
300×600…9929円
2022年11月のしらべ
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