アズールバティグ(オアシスブルー) スペインのグレー系石灰岩のご紹介

アズールバティグ(Azul Bateig)のしらべ

人々の生活に一番身近な石は石灰岩と言っても過言ではないでしょう。世界中で採石され、様々な物に加工されている石です。
通常は白っぽい色をしていますが、稀に色々な鉱物が混じり、色や模様の付いている石灰岩もあります。その様な石は、石材として活用されます。「アズール バティグ」もその一つで、淡い青味のある石灰岩です。
別名バディグブルー、オアシスブルー、ピエドラアズールとも呼ばれています。

「アズール バティグ」の原産地

スペイン王国はイベリア半島の大部分を占める南ヨーロッパの国です。地中海沿岸のバレンシア州アリカンテ県にあるエルダと言う街の南側に、石灰岩の「アズール バティグ」を採石している場所があります。
県都であり、港湾都市でもあるアリカンテから北東に約40㎞離れた位置にあるエルダは、小高い山々に囲まれた静かな盆地の街です。

この街を流れるビナロポ川には、ヨーロッパで一番古いダムが建設されていました。この川は何度も集中豪雨で氾濫し、街に甚大な被害を与えていました。
現在は川の幅を広げるなどして、災害対策が取られています。
その為、17世紀に作られたダムは役割を終え、現在は貯水していません。エルダの街は靴の街としても名高い所で、19世紀には多くの靴職人がこの街で腕を振るっていました。
かつては靴の見本市も開かれていましたが、現在は靴の博物館で当時の状況を顧みる事ができます。靴を作るための木製の型や様々な道具が展示され、美術品として価値のあるような奇抜な靴などを見る事ができます。
現在もこの地域は、ヨーロッパはもとより、世界的な靴製造の中心地となっています。

「アズール バティグ」の特徴

水磨き

石灰岩はライムストーンと言う名で石材として扱われています。
「アズール バティグ」はグレー系の石として分類されています。アズールとはスペイン語で青を指しますが、「アズール バティグ」はその名が示すように、青味のある灰色をしています。
曇り空の灰色の雲が薄い青色に見える時があるように、灰色は、元々青色を帯びる事があります。このように「アズール バティグ」も、光の当たり具合によっては薄い青に見える事もあります。
基本的にはグレーで柄の無い均一の色をした石材ですが、含有鉱物の量によって色の濃さが変わって、わずかな色の違いがにじむような模様を作り出している石もあります。
その模様は、古来より日本で伝わっている和紙の一種である、揉紙(もみがみ)のような柔らかい印象があります。

「アズール バティグ」を取り扱う時の留意点

デリケートな石です

ライムストーンは大理石と同じ岩石ですが、出来上がる過程が違います。どちらも石灰岩なのですが、大理石は高温の熱の影響を受けて結晶化しています。
ライムストーンは堆積岩の一つで、石の元となる海洋生物の殻などが積もって出来た岩石です。熱の影響を受けていないので、脆く柔らかい性質があります。その為、簡単に割れたり、欠けたりすることがあります。
石材は硬いイメージがありますが、ライムストーンを扱う時は優しく取り扱ってください。

水濡れについて

ライムストーンは比較的吸水率の高い石種です。ツヤを出した表面加工の物を屋外に使用した場合などでは、雨に濡れて数年で表面のツヤは失われてしまいます。
その様な場合には、しっかりしたコーティングを施してください。また、水分を含んでしまうと、シミになったりカビが生えたりする可能性があります。「アズール バティグ」の様にグレー系の石の場合では、シミが特に目立ってしまうので、注意が必要です。

「アズール バティグ」に適した製品

外壁

ライムストーンは気候変化に弱いデリケートな石です。しかし、近年では表面を保護するコーティング剤も優れたものが多く作られているので、しっかりしたコーティングを施せば十分対応できます。
石材を外装に使った大きな建物は、ともすると威圧感を与える事がありますが、水磨きと呼ばれる少しツヤを抑えた表面加工の「アズール バティグ」でしたら、自然の風合いが柔らかいイメージを持たせてくれるでしょう。

内壁

「アズール バティグ」のグレーは内壁材としてとても良い素材です。無彩色に近い色なので、どのような屋内空間にもマッチします。ライムストーンは柔らかい石種なので、脆いと言う弱点はありますが、それは逆に加工が容易であると言う長所にもなります。
従って、様々な表面の物が作られています。
一般家庭ではあまり使われませんが、商業施設などでは彫刻のように施された模様を作り出した壁もあります。
「アズール バティグ」そのものには模様と呼べるような大きな柄が無いので、照明の光と影で新たに模様を作る事も出来ます。

「アズール バティグ」のまとめ

太古の海に生きていた様々な生物は、たくさんの殻を残しました。
貝殻であったり、珊瑚の抜け殻だったりしたものは、気の遠くなるような時間をかけて、優しい雰囲気の石になりました。
青味のあるグレーの「アズール バティグ」は上品さも兼ね備えているので、採石しているスペインの議会場や大聖堂はもとより、世界的にも有名な超高層ビルのブルジュハリファにも使用されています。
ライムストーンの「アズール バティグ」は、世界の様々な建造物をこれからも彩っていくのではないでしょうか。

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