G682 中国産サビ石のご紹介

G682のしらべ

錆御影石と呼ばれる薄い茶色の御影石があります。中国産の錆御影石の定番と言われる「G682」をご紹介します。公園や神社など公共の場でよく見かける種類の石材です。鉄さびのような、渋い感じの色をしていて、別名を「南安錆石(なんあんさびいし)」とも言います。

 

 

 

「G682」の原産地

「G682」の採石場は、中華人民共和国の南部にある福建省泉州市の一地区、南安市(なんあんし)にあります。民族的英雄である鄭 成功(てい せいこう)の父親の出身地です。彼は長崎県の平戸で日本人の母の元に生まれ、幼少期に南安に渡ったと言う史実から友好都市を締結しています。功績を称えた記念館や、記念碑が南安に建てられています。この地の経済は、工業ではプラスチックや磁器などの軽工業が担っています。また、第一次産業では酪農での牛の飼育が盛んです。農業では龍眼(りゅうがん)と言う漢方の材料にもなる樹木を多く栽培しています。竜眼はライチの仲間の木の実で、果実は生でも食べられますが、ほとんどは乾燥させて利用しています。福建料理の高級食材を使ったスープやスイーツなどの料理に使われ、滋養強壮や疲労回復に効果のある漢方薬としても古くから使用されてきました。海に面した地域は狭いのですが、港湾設備も整備され、大きなタンカーでの国内外の大量流通を可能にしています。


 

「G682」の特徴

 

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

 

ビシャン仕上げ

「G682」は、錆御影と言う別名が示している通り、ベースの色が黄色から茶色をしています。御影石のほとんどは花崗岩ですが、「G682」は厳密にはトーナル岩と言う岩石に分類され、色を引き出す有色鉱物の含有量が多い石です。鉄さびを薄くしたような色合いで、アースカラーとも呼ばれる大地の色をしています。以前は濃い黄色をしていましたが、大量の採石を続けてきたことにより黄色い原石は少なくなっています。色も薄くなり、最近では薄いピンクに見える物も出ています。その為、世界基準では、うす目、標準、ゴールドまたは濃い目と、いくつかの種類に分類されていることもあります。色の濃いものほど価格は高くなっているようです。柄は黒や濃い茶色の粒子が入っていて、構成物質の石英による半透明に見える部分もあります。石目は比較的小さいのですが吸水率は若干高いようです。傷は付きにくく、風化にも耐えることができるので、公共の場を彩る環境石材として多くが使用されています。

表面の仕上げについて

 

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

 

「G682」を取り扱う時の留意点

 

色に幅があります。

御影石の「G682」は大量に採石してきたことで、色に変化が出てきています。切り出された時期によって、黄色からベージュなど色味が変わっています。また、色の濃淡も幅が広くなっています。濃い黄色から薄い生成り色のような物まであり、それに従って、柄の入り方も多い少ないがあります。このような事から、たくさんの石板などを使用する時には色柄のバランスに注意が必要となってきます。しかしデザインによっては、あえてバランスを崩す施工の方法もあるようです。いずれにしても、色柄に差が出る事は念頭に入れておく必要があります。

利用目的に応じた表面加工

御影石は様々な所で利用されています。「G682」は屋外の床面などの使用にも耐える石材ですが、その時に一番気を付けなければいけない事があります。鏡面に加工された御影石が雨などで水濡れした場合には、非常に滑りやすくなります。利用する人の安全の為にも、ツヤの無い少しザラついた表面加工の物を使用する事をお勧めします。

「G682」に適した製品

環境石材として使われます。

環境石材とは、主に屋外の利便性や美観を整えるために使われる石材のことです。

 

 

公共の場で

公園の遊歩道の敷石や、花壇の縁に敷き詰めたものを目にすることができます。また、休憩のための御影石を使ったベンチなども作られています。他にも噴水や水飲み場、駐車場の車止めなど様々な所に使用されています。また、石碑やモニュメントなども作られています。「G682」は温もりのある色合いなので、周りの風景を邪魔することなく自然なたたずまいのオブジェになるでしょう。風化にも比較的強い素材なので、屋外でも十分使うことができます。

一般家庭でも

庭の飛び石や、玄関までのアプローチに敷くことがあります。また、最近では様々な新しい使い方も考案されていて、大げさな門や塀を作るのではなく、表札や郵便受け、呼び鈴などだけを設置した門袖(もんそで)と呼ばれる小ぶりな壁を玄関横に設置する事もあります。「G682」は落ち着いたアースカラーなので、石材の高級感に加えて優しい雰囲気も醸し出してくれるのではないでしょうか。

「G682」のまとめ

御影石は様々な鉱物の組み合わせで成り立っています。その中の成分バランスで、色や柄が多種多様に現れてきます。成分の中の鉄鉱物が溶け出して、出てくるサビが御影石の弱点の一つです。しかし、御影石の「G682」の錆色はこの弱点を生かした一風変わった色合いで、渋い落ち着いた雰囲気を作り上げる事のできる素材と言えるのではないでしょうか。

現在、閉山となっています。

参考価格(㎡単価、消費税込、運賃別)

本磨き、ジェットバーナー仕上げ共

300角…9920円
400角…9920円
300×600…9929円
600角…12609円

ビシャン仕上げ

300角…12597円
400角…12597円
300×600…12609円

2022年11月のしらべ

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