G367 中国産ピンクの御影石

G367のしらべ

建材にはいろいろな素材の物があります。その中でも石材は太古から使われてきた素材です。加工は多少難しいですが、硬く安定した材質は建物などを作るためには格好の材料でした。最近は技術が向上し、加工機械も性能の良いものが出来たことで石材の活躍の場も増えています。柔らかいイメージの御影石のG367は、新しい使い方のできるピンクの石です。

 

「G367」の原産地

中華人民共和国の沿岸部にある山東省煙台(えんたい)市は、黄海と渤海に挟まれた山東半島の北東部に位置する都市です。総延長約九百kmもある海岸線を持つ地域で、古くから交易の拠点となっていました。十四世紀半ばからおよそ三百年間栄えた明の時代に、倭寇(わこう)と呼ばれていた海賊が活動していました。海賊が現れた時に山の上から昼間は狼煙を上げ、夜は大砲の音で知らせていました。その山は煙台山と呼ばれ、麓にある街にもその名前が使われたと言われています。近年では最新式の港湾設備が整備され、現在でも貿易は盛んに行われていて、多種多様な品物が大量に取引されています。山東省で採石される「G367」をはじめ、幾種類かの御影石もここから世界に向けて輸出しています。また、漁業も活発で、山東省最大の漁港があります。名物として、豊富な海の幸を使った海鮮料理があり、アワビやナマコなどを代表とする海の珍味がたくさん味わえる地域です。

「G367」の特徴

本磨き

 

ジェットバーナー仕上げ

御影石の「G367」は、中国産の桜御影石の代表と言われるピンク系の石で、その名に恥じない綺麗なピンク色をしています。「G367」を採石している地域では、いくつかのピンク系御影石が産出していますが、他と比べてくっきりとした柄が見られることが特徴となっています。基本的な花崗岩の構成鉱物を由来とする、グレーや白の部分とピンクの色がほぼ同じくらいの割合で入っています。この色の割合が、華やかな中にも落ち着きのある雰囲気を持たせています。また、黒いドットが入っていることで、石全体の柄を引き締めています。中目の石なので、柄は割合とはっきりしていますが、表面の加工方法によっては霞んだ感じになり、全体が淡いピンクに見えるようになります。また、切り出される深さや若干の場所の違いにより、ピンクの色合いに違いが出る事もあります。御影石の良い点は風化や劣化に比較的強いので、その点では使う場所を選ばない扱いやすい石材と言えます。

表面の仕上げについて

基本的に御影石には表面を研磨した「本磨き仕上げ」と、表面の鉱物をバーナーで高温にして飛ばす「JB(ジェットバーナー)仕上げ」があります。

本磨き仕上げは年月が経っても光沢が落ちにくいため外壁などに適しています。JB仕上げは表面に凸凹があり、ザラザラしているので滑りにくく、床材などに適しています。JB仕上げにすると本磨き仕上げに比べて色見が薄くなります。

この本磨き仕上げとJB仕上げの両方を使用して、壁面や床面をデザインすることができます。

「G367」を取り扱う時の留意点

御影石は石ですので硬く重いものです。

最近は小さいサイズの石板やオブジェがいろいろ売られています。お部屋やお庭のアクセントにちょうど良い置物も、キャラクターものや動物をかたどった物も作られています。一段と身近になってきた素材ですが、御影石の「G367」は桜色と言う柔らかなイメージがあっても石です。石材はある種の金属よりも硬く、重量もあります。落としたり、ぶつけたりした時にケガをすることや、その石造品やぶつけた対象を壊すこともあります。設置、移動する場合には小さい物でも十分に注意してください。

高熱には弱い性質があります

花崗岩は鉱物の宝庫とも言えるほど様々な鉱物によって形作られています。基本的には石英と長石と色を引き出す有色鉱物が含まれていますが、それぞれの鉱物には違う性質があります。その為、高熱に晒された場合には割れてしまう事があるので、火を扱う場所で使用する場合には注意が必要となります

「G367」に適した製品

優しい色合いをインテリやエクステリアのアクセントに。

タイルのいろいろな使い方

タイル状の石板を使って快適空間が作れます。岩石の特徴の一つに熱を伝えにくい点が挙げられます。それを利用して、ペットや足のクールマットにしたり、PCの熱を逃がすクール台に使えます。また、電気を通さず、重量があり安定している点を利用してオーディオのスピーカー台に使用できます。御影石のG367の桜色は、石材の冷たさを感じさせない良いインテリアになるでしょう。

お手頃な大きさのオブジェ

様々なお庭を彩る置物が作られています。最近では加工技術や機械の性能が良くなったことで、比較的小さいサイズでも精巧な石造品が作られています。キャラクターやかわいい動物をかたどった物、また、LEDを使ったスタイリッシュな屋外照明の器具が作られています。「G367」の優しいピンク色は、お庭の花が少なく、少し寂しい時には彩を添えてくれる良い材料となるのではないでしょうか

「G367」のまとめ

昔は御影石を建材として使うことが大部分でした。そして、御影石のG367のような色のついた御影石はあまり使われていませんでした。しかし最近では多様な使い方が考え出され、とても身近な素材になってきました。一般では自分で加工することは難しいでしょうが、いろいろなサイズの小さめな石材が多く売られているので、アイディア次第では使い方の幅も広がっていくのではないでしょうか。

2022年12月のしらべ

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。