フューチュロスコープ キネマックス(Futuroscope Kinemax)

「フューチュロスコープ」のご紹介

 

世界中にはたくさんの遊園地や様々な題目のテーマパークがあります。開園したばかりは多くの人が訪れますが、年月が経つと衰退していく所もあります。フランスの田舎に作られたテーマパークは、開園して間もなく40年になろうとしています。テーマパークとしては老舗と言ってもよい「フューチュロスコープ」は、今でも訪れる人を新鮮な驚きで迎えてくれ、そこに建つパビリオンは現在でも斬新な外観をしています。

「フューチュロスコープ」の設計者

 

「フューチュロスコープ」の公園全体と複数の建物の企画や設計を担当したのは、フランスの首都パリで1949年に生まれたデニス・ラミングです。パリの大学で建築を学んだ彼が一躍脚光を浴びるようになったのが、「フューチュロスコープ」の建設計画でした。彼が35歳の時に当時フランスの政治家だったルネ・モノリーによって、テーマパークと隣接する最新技術を研究、及び学習するための「テクノ ポール」の建設リーダーに任命されました。彼は、未来的な印象を持つ建物を多く生み出していて、20世紀の初めにイタリアから広まった、「未来派」と呼ばれていた建築を含む芸術に関する運動が再燃した、「新未来派運動」の先駆けと呼ばれています。建築家としての最初は、フランス国内が活動の中心でしたが、次第に世界に向けて活躍するようになり、中東の新しい都市計画や中国の大規模な企画にも参加するようになっています。また、2019年に起きたパリのノートルダム大聖堂の火災は、彼も目撃していて大変なショックを受けたようです。しかし、大聖堂の再建にはとても意欲的で、歴史を重んじながらも屋根が透明になるような感じの斬新な提案を提出しています。20世紀の終わり頃には、フランス中部にある街の中世に建てられたお城を所有するようになって、彼の主導による修復も行われました。彼の活躍は国にも認められ、2015年にフランスの騎士に値する勲章を授かっています。

「フューチュロスコープ」の所在地

 

「フューチュロスコープ」はフランス共和国の西部にある、その施設が出来るまでは小さな田舎の農村だったシャスヌイユ・デュ・ポワトゥーと言う町に建設されました。シャスヌイユとは、古代のヨーロッパで使われていたガリア語と言う古い言葉で、「オーク(楢の木)」を意味していて、それに続く単語が「開拓」を表しています。要約して「オークの伐採」と解釈されています。ヨーロッパの中世初期の頃からこの地に人々が暮らしていましたが、田舎の小さな農村でした。しかし、この町はルイ1世が生まれたと町であると、複数の歴史家が言っています。町が位置する所は、フランスの中部を流れる主要な川の1つ、ロワール川の支流に沿っています。その為、古くから洪水の被害にあってきました。加えて、粘土質の土壌が広がる地域もあって、記録に残る地すべりが幾度か起こっています。以前は小さな農村でしたが、1983年に提案された「フューチュロスコープ」のテーマパークの建設により、観光地として有名になりました。また、隣接するテクノポールには最新技術の研究や学習の為の施設が建設され、多くの研究者や学生がこの町を訪れています。このようにたくさんの人が訪れる町になりましたが、定住している人は5,000人に満たない町です。

 

「フューチュロスコープ」の特徴

 

「フューチュロスコープ」には設計者のデニス・ラミングが手掛けた複数の建物があります。その中でも、キネマックス(Kinemax)と名づけられている建物は、ひと際目を引く形をしています。キネマックスは、煙水晶(スモーキークォーツ)と呼ばれる灰色が混じる水晶や黒水晶(モリオン)の群生に見える建物です。水晶の結晶は6角柱で、綺麗な結晶を結んだものは上部が尖っています。その結晶がたくさん固まってできた物が群生(水晶クラスター)と呼ばれていて、キネマックスはその形を忠実に再現した外観です。この建物は、隣接する人工湖に向かって60度の傾斜が付けられていて、建物の最高値は地上35mです。外壁はステンレス鋼の骨組みに、ミラー効果を持たせた3,000枚のプレキシガラスと言う樹脂製のガラスが建物を覆っています。プレキシガラスは薄い青緑色に着色されていて、一層クリスタルの雰囲気を大きくしています。直線的な建物ですが、パネルの形状は様々で、正確にこの形を作り上げるために各パネルの寸法を正確に導き出すことが重要でした。その作業は、コンピュータの力を借りても膨大な時間を要しました。その上で、正確な縮尺の大きな模型で確認作業も行われました。屋内は巨大なスクリーンがある映像を見せる劇場になっていて、500席近い座席が用意されています。夏季には、重さが18トンもある各辺が20m以上もあるスクリーンを油圧シリンダーが引き上げて、直接人工湖側に出られるようになっています。

「フューチュロスコープ」のまとめ

 

人工湖の畔にはキネマックスのミニチュア版と言えるレストランもあります。レストランの建物もキネマックスと同じ作りになっています。開園から間もなく40年になるテーマパークですが、隣接する研究機関と連携して次々と最新技術を使ったトラクションを公開しています。数年前にはキネマックスの内装を改装して最新のデジタル技術を使った映像が鑑賞できるようになりました。最新の技術を使った新しい冒険のできる「フューチュロスコープ」には、子供時代に目を輝かせて訪れた人が、新しいアトラクションを親子で楽しむ人もたくさんいるのではないでしょうか。

 

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