ムインガ図書館(Muyinga Library)

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「ムインガ図書館」のご紹介

 

先進国と呼ばれる国の人々や企業が途上国の支援を行うことはよく耳にします。支援内容や方法は多岐にわたりますが、単に手を貸すだけでなく、そこで暮らす人達の後々を考えている事例があります。東アフリカの内陸にある国に建設された小さな施設は、その良い例です。「ムインガ図書館」は支援する組織と、そこで暮らす人々が地域の子供たちのために協働で作り上げました。

「ムインガ図書館」の設計者

 

「ムインガ図書館」の建設計画や設計は、ベルギーの首都ブリュッセルに本拠地を置くBCアーキテクツです。BCはブリュッセル協力機構の頭文字を取ったもので、2006年にアーキテクツ(建築協同組合)をウエス・ディグリーズ、ケン・デ・クーマン、ニコラス・コッケルベルフス、ローレンス・ベケマンスの4人の建築家が共同で設立しました。その後、建築の現場から物質的な環境を研究したり、研修やワークショップを開催するBCスタディズ(非営利の教育、研究)と、環境に負荷をかけない循環型の素材の開発や、建築現場での廃棄物を削減するための建材を開発するBCマテリアル(材料生産協同組合)を立ち上げ、建築や都市計画に関する複合的な組織に成長しました。彼らの理念は、環境に負荷をかけない再生型の建築であり、地元の素材と建築方法、それを実践できる地元の職人を育てることです。アフリカは植民地の時代があり、古くからの伝統や文化ではなく、西洋の様式を真似ていることに彼らは懸念を抱いています。アフリカの地でコンクリートで建物を作ることは間違っていると考え、その地の伝統を共に教えなおしていると語っています。加えて、アフリカでのコンクリートやその他の新素材は高価で、実用的ではないとも言っています。彼らは、ベルギーをはじめ、ヨーロッパの複数の国の大学で、このような考えを伝えるために教鞭を執っています。

「ムインガ図書館」の所在地

 

「ムインガ図書館」は、アフリカの東側にあるブルンジ共和国の都市ムインガに建てられました。この国は、東側に隣接するタンザニアの更に東にインド洋が広がる内陸の国です。国名のブルンジとは、16世紀ころにあった王国の名前で、国民のほとんどが3つの民族からなるルンディ族の人々であり、彼ら言語で「ブ」は国を表していることから、ルンディ族の国と言う意味を持っています。広い国土を持つ国が多いアフリカ大陸の中では面積が小さく、国土のほとんどが標高1,500m以上ある高原や山岳地帯で占められています。1番低い場所は、複数の国に面するタンガニーカ湖ですが、それでも海抜は700m以上あります。タンガニーカ湖は、アフリカ大陸の東側を南北に走る大地溝帯の1部で、いくつかの特徴を持つ湖です。最も深い所で1,500mに迫る地球上で2番目に深い湖で、南北におよそ670kmある細長い形をしていて、膨大な貯水量があります。このような特殊な環境であることから、固有種も多く生息しています。他にも地理的な特筆する点としては、アフリカの古代文明を支え、地球上で最も長い川であるナイル川の最遠の源流と言われるルヴィロンザ川が国の中央部から流れています。森林は少なく国土の1割ほどですが、現在は森林保護の観点から、森林の全てが公有地となって保護されていて、森林面積は20世紀後半よりわずかですが増えています。ムインガは国の北東部に位置する、首都に次ぐ人口を抱える街です。2025年まではムインガ州の州都も務めていましたが、現在は州の合併により、ブフムザ州に含まれています。

「ムインガ図書館」の特徴

 

「ムインガ図書館」は、学校施設建設の最初の建物として2012年に完成しました。設計者のグループは最初に、建設地の気候と伝統的な家屋の建設方法を調べました。まず、赤道に近いこの地域は強い日差しと、雨季に降る大量の雨に対応する必要がわかりました。そして、伝統的に作られる家屋には、屋根の付いた外廊下と敷地を明確にする塀などが作られていることも分かりました。その結果、「ムインガ図書館」は2つの棟で作られました。屋根の付いた外廊下は、強い日差しを和らげるためと、大量の雨から身を護る効果があります。加えて、その場所では日本で言うところの「井戸端会議」的な地域の交流が図れる場所を提供することができます。この廊下は通りに面した部分にはブラインドが設置されていて、図書館の開館や閉館がわかるようになっています。実際の建設にあたっては、地元の職人や人々の手を借りて行われました。建設素材は地元で調達されました。土を圧縮して作られるレンガで壁が作られ、屋根は粘土を焼いて形成される瓦で覆われました。床にはタイルとユーカリの木材が使用されました。屋根瓦は丈夫ですが、重いため、それを支えるために壁を作る時に1m30cm間隔で柱が設置されました。レンガを組んで作られた壁には、所々に穴が開くように組み上げられました。これは通気と明るさを求めるためで、夜間には屋内の明かりが漏れて図書館の存在を示しています。

「ムインガ図書館」のまとめ

 

アフリカの建設支援では、支援者と建設地の人々が共に作業を行うことはよくあります。単に新しい建物を作るだけでなく、後々の維持管理が容易にできるよう考えられています。「ムインガ図書館」の建設に関してもこのような方法が採られていて、完成した時には、技術を向上させた職人や、多くの新しい職人が生まれました。建物を建てるだけでは終わらない、将来を見据えた企画が「ムインガ図書館」です。

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