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「ケンジントン オーヴァル」のご紹介
植民地となった場所に領有国の文化がその地に導入されることは歴史が証明しています。スポーツもその中の1分野ですが、現在に至るまで住民の楽しみとして続いているものもあります。カリブ海の東端に浮かぶ島は、植民地としての歴史が数百年続いていましたが、その間に定着したスポーツがあります。主にヨーロッパで楽しまれるクリケットのクラブが結成され、そのホームフィールドとなったスタジアムが「ケンジントン オーヴァル」です。
「ケンジントン オーヴァル」の設計者
「ケンジントン オーヴァル」は、ロンドンに本拠地を置く総合的な建設企業の「アラップ」が手掛けました。この会社は、デンマーク系イギリス人の構造技師、オーヴェ・アラップ(サー・オーヴェ・ナイキスト・アラップ)によって1946年に設立されました。オーヴェ・アラップは、1895年にイギリス北部の都市で、獣医をしていたデンマーク人の父とノルウェー出身の母の元に生まれました。デンマークの寄宿学校で初等と中等教育を受け、首都のコペンハーゲンにある大学で哲学を学びました。その後、同じ街にある工科大学で工学(特に鉄筋コンクリート)を学びました。その当時に近代建築の先駆者だった、スイス系フランス人とドイツ系アメリカ人の建築家から大きな影響を受けていたようです。大学を卒業してからは、デンマークの建設企業で働き始め、1935年に従弟と共に「アラップ・アンド・アラップ」と言う会社を立ち上げました。第二次世界大戦後にその会社を解散して、新たな建設総合企業の「アラップ(正式名称はアラップ・グループ・リミテッド)」を開設しました。この会社は同業他社を吸収することなく自らで大きくなった企業で、現在は30カ国以上にオフィスを置き、世界のほとんどの国での企画を遂行しています。創設者であるオーヴェ・アラップは英国の勲章とナイトの称号を授けられ、数々の賞も受けていましたが、1988年に92年の人生をロンドンで終えています。
「ケンジントン オーヴァル」の所在地
「ケンジントン オーヴァル」はカリブ海の島国であるバルバドスの首都、ブリッジタウンにあります。バルバドスはカリブ海と大西洋の境に位置する1つの島で国を構成しています。日本の宇宙産業の一端を担う宇宙センターがある種子島よりわずかに小さい島で、周囲をサンゴ礁に囲まれている美しい国です。島の中央にある海抜300mを少し超える丘が最高地点となっているほぼ平坦な地形をしています。1966年にイギリスから独立しましたが、イギリスの国王を君主とするの立憲君主制の国でした。それから55年が経過した2021年に、共和制へと政治形態を移行しました。植民地時代に導入されたサトウキビの栽培がこの国の経済を長く支えてきましたが、現在は美しいサンゴ礁や、世界遺産に登録された首都のブリッジタウンの街並みを資源とした観光業が盛んになっています。カリブ海には小さな島国がいくつかありますが、経済的に裕福な国となっています。ブリッジタウンは島の南西に位置し、島を流れる4本の河川の内、最大のコンスティテューション川が街の中心部を流れ、河口には小型船舶が利用できる港が作られています。気候は1年を通して30℃を少し下回る気温ですが、貿易風が吹くため大幅に暑くなることは稀です。この島はグレープフルーツの原産地と言われていて、18世紀にヨーロッパの入植者によって発見されました。
「ケンジントン オーヴァル」の特徴
現在の「ケンジントン オーヴァル」は、2007年に開催されたクリケットのワールドカップ開催に向けて建て直された施設です。様々な自然災害にも耐えることができ、観客が快適に過ごせる施設が建設されました。1番の特徴はメインスタンドを覆う巨大な屋根です。バルバドスの気候を考慮して、観客の快適さを作るために日陰と風通しの良さが課題として示されました。スタンドは軽量鉄骨を骨組みとした、鉄筋コンクリートで建設されています。大型の屋根は、スタンドの後部から大きく覆いかぶさるようになっていて、楕円形をした風速を計る巨大な吹き流しのように見えます。風になびくように見える屋根は、スタンドを3方から囲むように設置されていて、強い日差しを遮るようになっています。加えて、風の通りをよくするように考えられていて、東西南北どちらから風が吹いても吹き抜けるような構造になっています。これによって観客は、屋外にいても高い気温に晒されることを防ぐことができます。また、この地域は大きな地震が起こる事が多く、熱帯性暴風が発生する事も度々あることから、観客の視線を確保したうえで、災害に耐えるように柱や梁に荷重が分散するように設計されています。最寄りの島でさえ200km以上離れていることもあり、建設のための材料は極力地元で入手されました。
「ケンジントン オーヴァル」のまとめ
植民地時代に結成されたクラブチームがこのスタジアムを所有してから100年以上が経っていました。新しいスタジアムの建設は、旧いスタジアムの解体から始まり完成までに2年かかりましたが、スタンドやフィールドも広くなりました。以前はクリケットの試合だけに使われていましたが、街の活性化もふまえ、現在はサッカーなど他のスポーツや音楽イベントなど多岐にわたって利用されています。古い伝統も大事にしながら、未来へも視線を向けた施設が「ケンジントン オーヴァル」です。









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