ジンタリ森林公園の展望台(Skatu tornis Dzintaru Mežaparkā)

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「ジンタリ森林公園の展望台」のご紹介

 

「木の葉を隠すなら森の中」という、ある小説に書かれた台詞の誤用で「木を隠すなら森の中」と言う1文がありますが、隠す意図はなくても隠れてしまうような建造物が北欧の森に建設されました。樹齢200年以上の松が作り出している森は、子供たちに自然の中で思い切り遊べる場と、人々に憩いの場を提供しています。「ジンタリ森林公園の展望台」は、森に隠された木のような印象を与える展望台です。

「ジンタリ森林公園の展望台」の設計者

 

「ジンタリ森林公園の展望台」の設計とデザインを手掛けたのは、ラトビアの建築事務所「アーヒス アーキテクツ」です。この事務所は、ラトビアの近代建築界をけん引する建築家のアンドリス・クロンベルグスが、4人の建築家と1人の経済学者と共に1989年に現在の首都、リガで開設しました。アンドリス・クロンベルグスは、1951年に建築家の父と教師の母の元に、当時はソビエト連邦の支配下にあったラトビアのユールマラで生を受けました。ユールマラで中等教育を受けた後に、リガにある当時の工科大学で建築を学びました。大学を卒業した後に、国の建設機関でラトビアの近代建築の先駆者である建築家の元で10年余りの間、実務経験を積みました。その後、リガ市の副建築主任を務めながら、同僚の建築家達と共に、国で最初の民間建築事務所である「アーヒス アーキテクツ」を創設しています。現在までにラトビア建築家連盟の会長を務めたり、歴史地区の保存に尽力したり、国の建築法の策定にも関わっています。また、ラトビア駐在のアメリカ大使に推薦され、建築家のノーベル賞と謳われるプリッカー賞にノミネートされたこともあります。「アーヒス アーキテクツ」は、国で最大規模の建築事務所に成長していて、空港や、集合住宅などの公共施設や、ショッピングセンターやホテルなどの規模の大きな企画を手掛け、国の発展に建築面で大きく寄与しています。また、次代を担う若手建築家の育成にも貢献しています。

「ジンタリ森林公園の展望台」の所在地

 

「ジンタリ森林公園の展望台」は、北欧の国でバルト3国の1つ、ラトビア共和国のユールマラという街に建設されました。この国は20世紀末までソ連の支配下にありましたが、1991年に完全独立を果たし、共和制国家となりました。現在は、欧州連合(EU)と北大西洋条約機構(NATO)に加盟しています。バルト海に面していて、陸側は4つの国と国境を接しています。国土のほとんどは海抜が低く、200mを越える所はわずかとなっていて、最高地点は国の中央西寄りにあるスキーリゾート地が海抜300mを少し超えています。国土のおよそ半分は森林地帯が占めていて、国土が北海道より少し狭い面積でありながら1万を越える河川が流れています。しかし、その中でも100kmを越える長さを持つ川は17本しかなく、ほとんどが短い川となっています。また、湖沼も多く、3,000を越える大小の湖や沼が存在しています。これらの地形的特徴は太古の氷河期に端を発しています。ユールマラは、首都のリガの西に隣接する街で、ラトビアの言葉で「海岸」を表す地名です。地名が示す通りの美しく長い海岸があるところで、ソ連の支配下時代から保養地であり、観光地でした。この国の地下資源に豊富な石灰岩や石膏がありますが、それらを由来とした30km以上の白い砂浜が伸びていて、街との境には海岸線と平行に森林が伸びています。この砂浜を利用して2017年にはヨーロッパビーチバレー選手権が開催されました。

「ジンタリ森林公園の展望台」の特徴

 

2010年に完成した「ジンタリ森林公園の展望台」は、鋼鉄と木で出来た透明感を持つ細長い直方体の建物です。中心の柱を直角で曲がりながら上がる螺旋階段が、細い木の板で覆われたような建物で、30m以上の高さを上がる間に閉塞感を与えないようなデザインになっています。展望台の1番高い所で33,5mですが、その上に通信用のアンテナが設置されているので、高さは38mになります。中心は四角い空洞になっていて、その四隅に金属の柱が4本あり、その周囲を螺旋を描くように同じく金属の階段が取り付けられています。床も金属で、溝のふたなどに使われる金属格子(グレーチング)が使用されています。建材に使われたすべての金属は、腐食に耐性を持たせるために亜鉛でメッキされたものが使われています。基本的に金属の建造物ですが、それらを囲むように細い木の板を横の桟にして、少し太い木材でそれを押さえています。木材は松の集成材が使われています。最上の展望台にたどり着く前に、飛び出した踊り場のようなバルコニーが12個所作られていて、様々な高さから風景を楽しむことができるようになっています。バルコニーには2人が立ち止まって留まれる広さがあり、4つの面にそれぞれ3個所設置されています。最上階の展望台は、北側に建物からバルコニー1つ分ほど飛び出した形になっています。安全のために周囲と上部も木材と金属の桟で覆われています。

 

「ジンタリ森林公園の展望台」のまとめ

 

この展望台は当初、他の場所に建設される予定でした。その為、最初の設計より高くなり、外観の色合いも少し変更されました。元々の建設場所は、街の東端にある小高い公園でした。この高さになったのは、周囲に生えている松の木より高くするためでした。松林の北側には美しい砂浜を持つ海岸が見えます。色々な高さの風景も楽しめるこの展望台は、森に棲む小さな動物たちの視線を経験することができると設計者は語っています。森に付け加えられた少し太い木が「ジンタリ森林公園の展望台」です。

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