ヴロイバーグ タワー(Vlooybergtoren)

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「ヴロイバーグ タワー」のご紹介

 

20世紀の初めころにアメリカの建築家が「形態は機能に従う」と言う文言を残しています。これは、建築物の用途や機能を追求すれば形は自ずと決まると言うような意味を持っています。そして、「結果的に建築的な美しさが備わってくる」とも唱えています。それを実際の構造物として形にされたのが「ヴロイバーグ タワー(または、ヴロイベルグ タワー)」です。

「ヴロイバーグ タワー」の設計者

 

「ヴロイバーグ タワー」は建設地の自治体が建築設計競技会を開催して設計者が決まりました。優勝したのは、ベルギーの建築家イヴ・ウィレムス率いるクローズ・トゥ・ボーンでした。イヴ・ウィレムスはドイツ南部の都市にある大学で建築を学び、ベルギーの首都近郊にある街の大学で構造学を学びました。2006年に自らの建築事務所であるスタジオ・ウィレムスを開設し、多様な依頼者からの様々な建築物や構造物を設計しています。彼は、フランスの作家が記した著書の中の「完璧とは何も付け加えることができなくなった事ではなく、何も省くことができなくなった時である」と言う一節に感銘を受け、それを実践しようと心がけているようです。彼が生み出す建築物は、通常の建物ではなく、動物園の飼育施設や建物と建物を繋ぐ不思議な階段、自然公園にある揺れる橋など、一風変わった作品です。様々な問題を誰も思いつかなかった方法で解決に導いていて、単純に見える建築物や構造物でも、深く考えるととても複雑な計算と工法であることが分かります。逆にどのようにしてこの形が出来上がったのか不思議に見える建築物もあります。目的に応じていて周囲の景観を損なわず、人々に印象付ける作品が作り出されています。

「ヴロイバーグ タワー」の所在地

 

「ヴロイバーグ タワー」は、ベルギー王国にあるフランドル=ブラバント州のティルト=ウィンゲと言う町の丘の上に建設されました。西ヨーロッパに含まれるこの国は、北海に面し、対岸にイギリスのグレートブリテン島があるドーバー海峡の北側になります。国土は、北西から南東に広がり、北部は平地が多く、南部は高地になっていますが最高地点でも標高が700mに満たない比較的平坦な地形です。フランドル=ブラバント州は、国の中央部に位置する州です。首都のブリュッセルを含む首都圏を取り囲んでいて、地図上で見ると、州の中ほど西寄りにぽっかりと穴が開いたように見えます。この地域は12世紀から19世紀まで存在したブラバント公国の1部でした。ヨーロッパの他の国々と同じく、公国もいくつかの国の支配下にありました。その中でオランダとの繋がりが大きく、ベルギー国内で使われる3つの公用語の中で、オランダ語の使用が最多となっています。ティルト=ウィンゲの町は、州の北部東寄りに位置する田園地帯です。果樹の栽培が盛んで、サクランボやナシ、リンゴが特産となっています。自然が豊かな所で、町の東にあるトローステンベルクの森は自然保護区になっています。「ヴロイバーグ タワー」からもよく見える森で、ヨーロッパの国々が参加している、自然を保護するためのネットワークであるナチュラ2000に指定されている地区に含まれています。

「ヴロイバーグ タワー」の特徴

 

2015年に再建された「ヴロイバーグ タワー」は、小高い丘に建つ浮遊構造物と言われる階段です。以前は、この丘の上に木製の螺旋階段で登れる展望台がありました。その展望台は、木製であったことから、老朽化して倒壊してしまいました。空に向かって登る階段だけの構造物で、斜め上に向かって伸びていますが、それを支える柱などはありません。一見すると単純な構造物ですが、少し考えると倒れないのが不思議に思えます。コンクリートの台座の上に亜鉛めっきの鋼材を骨組みにして、腐食に強いコルテン鋼の壁が取り付けられています。コルテン鋼は、あらかじめ特殊な錆を浮かせることで腐食しにくくした素材で、赤茶色をしています。この地域の鉄分を多く含んだ砂岩の色に似ていることから、違和感なく風景に溶け込んでいます。台座には35mの長さのケーブルが12本埋め込まれ、この階段を支えています。建設地の周辺で1番高い標高80mの孤立した丘の頂上に建設されているので、晴れた日には西方向に約35km離れた発電所の排気塔が見え、およそ25km東にある鉱山跡の櫓が見えるようです。最上段の壁まであわせた高さが11mと少しあり、長さは20m、総重量は13tで、幅2mの階段は55段あります。設計者は、「展望台は周囲を見渡すために高くないといけないし、高い所まで登るためには、階段があればいい」との考えで「ヴロイバーグ タワー」をデザインしました。

「ヴロイバーグ タワー」のまとめ

 

町の観光資源になり、ベルギーの人気ドラマのロケにも使われた「ヴロイバーグ タワー」は、完成からわずか3年の2018年に破壊行為を受けました。骨組みは無事だったものの、ひどい損傷をうけた搭の改修には多くの人が資金協力をしました。また、犯罪防止の観点から、地元の企業が太陽光発電を利用した夜間照明を提供しました。「ヴロイバーグ タワー」は、鉄骨構造物として賞を受賞していますが、地元の人々の自慢にもなっているのではないでしょうか。

 

 

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