マナグア大聖堂(マナグアの聖母マリア無原罪懐胎大聖堂)(Catedral de la Inmaculada Concepcion de Maria in Managua)

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「マナグア大聖堂(マナグアの聖母マリア無原罪懐胎大聖堂)」のご紹介

 

世界には様々な宗教があります。それぞれの宗教の重要な建物は通常の場合、当該の宗教の特色を表した物が建設されています。しかし、中にはそれに加えて、建設される場所の地域性や、そこで暮らす人々の精神を表す技法が採り入れられる事もあります。中央アメリカの災害の多い国に建設された「マナグア大聖堂」は、災害復興の最初の事業であり、人々の心の支えでもあります。

「マナグア大聖堂」の設計者

 

メキシコの建築家リカルド・レゴレッタ(リカルド・レゴレッタ・ビルチス)が「マナグア大聖堂」の設計を担当しました。彼は、1931年にメキシコの首都であるメキシコシティで生まれました。国立大学に付属する建築の専門学校で建築を学んだ彼は、幾人かのメキシコのモダニズム建築を先駆けていた建築家に影響を受けたと考えられています。学業を終えた後に、メキシコのモダニズム建築を指導する建築家の元で数年の間、更に学びながら経験を積みました。そして、1965年に2人の建築家と共に「レゴレッタ・アルキテクトス」を共同開設しました。彼の作品は、メキシコの伝統的な文化とモダニズムを混ぜ合わせたようなデザインが多く、明るい色使いが特徴的で、抽象的な形と、鮮やかな色の伝統的な装飾が彼の手によって融合されています。更に、多くの建築物に国内だけでなく、国外の芸術家の彫刻や絵画などの作品が取り入れられています。建築分野の教育も積極的に行っていて、最終的には世界中の30以上の大学や建築専門の学校で講義を行い、教鞭を執っていました。また、国際的な活動を行っているフランスのパリに本拠地がある、国際建築家連合の金メダルをはじめ、アメリカや日本など多くの国の建築家に授けられる様々な賞を受賞しています。メキシコの新しい建築スタイルを構築してきた彼は、2011年に病のため80歳で人生の幕を下ろしています。彼らが開設した事務所は、現在、息子のビクトル・レゴレッタが引き継いでいます。

「マナグア大聖堂」の所在地

 

「マナグア大聖堂」は、中央アメリカのニカラグア共和国の首都、マナグアに建てられました。北米大陸と南米大陸を繋ぐ、地峡と呼ばれる細長い陸地で構成される中米の中ほどに位置し、メキシコを含めない狭義の中央アメリカでは国土面積が最大となっています。この国は、北に位置するテワンテペック地峡と南のパナマ地峡の間に位置しているため、比較的平野部の多い地形となっています。しかし、多くの火山も存在していて、頻繁に地震も起こっています。首都のマナグアは中米で2番目に大きい湖、マナグア湖(別名ショロトラン湖)の南に広がっています。そこから南にあるニカラグア湖は中米で最大の湖となっています。マナグア湖の北には、標高1,300m弱の現在も活発なモモトンボ火山が聳えています。この山は、火山特有の美しい山体をしていて、山頂の火口付近まで登ることができます。近年では、2015年から2016年にかけて再び火山活動が活発化して、2016年の2月には非常に激しい噴火が起きています。しかし、火山の地熱を利用した地熱発電も行われていて、発電による二酸化炭素の排出量が抑えられています。火山が活発であることは、地震も頻発し、1972年に大規模な地震が発生しました。震源地はマナグア湖で、街は壊滅的な被害を受けました。時間はかかりましたが、現在は、はっきりとした中心部を持たない新しい形の街となっています。

「マナグア大聖堂」の特徴

 

1993年に完成した現在の「マナグア大聖堂」は、1972年の地震で大きな損害を受けた以前の大聖堂の跡地に建設されました。この国は古代より、北のトルテカ族と南のアステカ族の影響を受け、独自の文化を育んできました。このような歴史もあることから、キリスト教の聖堂であるにも関わらず、いくつかの宗教を垣間見ることができるような形となっています。1番の特徴は63個の白いドームの連なりと積み重ねのある屋根です。ピラミッド型に重ねられたドームは、11つを見るとイスラム教のモスクに似通ったところがあります。これは、スペインにおけるイスラムの建築様式とキリスト教の建築様式を融合させたような、ムーア様式と呼ばれる建築物に通じています。また、たくさんのドームが積み重なって見えるところは、仏陀の像の頭部に見られる小さな螺旋の頭髪(羅髪、らほつ又は、らはつ)のような印象も受けられます。聖堂内は、入り口の正面が祭壇になっていますが、祈りを捧げるために訪れる人々と祭壇の目的との境を曖昧にするために、ドーム型の天井は人々が礼拝を行う身廊(しんろう)の中心が1番高くなっています。加えて、たくさんのドームは礼拝堂の中に自然の光を注ぎ、換気の役目も担っています。屋根のドームと対照的に、建物は直線的なデザインで、正面の入り口は重厚な木製で、屋内に導くような意匠が凝らされています。建物そのものは、耐震を考慮した鉄筋コンクリートで建設されました。

「マナグア大聖堂」のまとめ

 

日本と同じくニカラグアも環太平洋火山帯の中にあり、複数のプレート境界に位置していて、頻繁に地震に見舞われています。1972年の大地震からの復興に時間がかかったのは、政治的な不安定があった為で、地震からおよそ20年が経過した頃の1990年代に入って復興事業が動き出しました。真っ先に建設が始まった内の1つが「マナグア大聖堂」でした。この国はキリスト教徒が大半を占めていることもあり、街の中心に建つ「マナグア大聖堂」は、人々の心の拠り所になっています。

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